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「高岡発ニッポン再興」その107 年収250万円市長の本気度

Japan In-depth / 2023年11月7日 7時0分

「高岡発ニッポン再興」その107 年収250万円市長の本気度


出町譲(高岡市議会議員・作家)





 


【まとめ】


・人口減少時代、トップは厳しい判断を下さなければいけない。


・鈴木直道北海道知事、夕張市長時代年収250万円にカットした。


・私はそこに鈴木流のリーダーシップの本質を見た。


 


高岡で政治家になって2年です。私の思いの底流にあるのは、人口減少時代にあるという認識です。人口が増加しているときは、さまざまな要望に応える「あれも、これも」という行政が通用していましたが、今は「あれか、これか」と判断しなければなりません。つまり、住民からの要望が出ても、何ができて、何ができないのか。トップは厳しい判断を下さなければいけません。自治体によって、濃淡はありますが、人口減少という大きな流れは変わらないのです。


私がジャーナリスト時代に出会った人々をご紹介します。彼らと議論し、この国はどうあるべきか。そして、地方は今後どうなるのか。それが自分の考え方の原点となっています。そして高岡に戻って、再興しようと思ったのです。まずは、北海道知事の鈴木直道さんです。私が出会ったとき、37歳の若き夕張市長でしたが、強烈な印象を残してくれました。そして政治の原点を教えられました。トップの姿勢の重要性です。


私が鈴木さんと会ったのは2018年の8月末です。空港でレンタカーを借りておよそ1時間、夕張市の駅前につきました。夕張市の中心部の通りには、ほとんど歩く人を見かけません。シャッターを下ろした店ばかり目立ちました。


雑草が伸び放題となっている広大な駐車場で車を降りました。そこは、巨大テーマパーク「石炭の歴史村」の跡地でした。かつて大観覧車やジェットコースターなどの遊園地もあったそうです。そこにもの悲しくそびえたつ鉄塔がありました。白地で「夕張希望の丘」と書かれています。その言葉「夕張希望の丘」は、皮肉な現実ですね。


夕張市は2007年に破たんして以降、極限までの行政サービスの削減に追い込まれていました。面積は、高岡市の4倍近くあるのに小学校と中学校はそれぞれ1校しかないのです。子どもたちは凍てつく寒さの中、長時間バスに揺られていました。


そんな状況なのに、鈴木さんは「希望」を語りました。「日本は人口減少、高齢化など課題先進国。世界が今後、抱える課題を日本がいち早く向き合っています。そんな課題先進国、日本の中でも、夕張市は課題先進地です。つまり、夕張市は世界最先端の課題に取り組もうとしています。課題を“希望”に変えていきたい」。


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