1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

日本のTVインタビューで激昂したキッシンジャー氏

Japan In-depth / 2023年11月30日 21時0分

この日、キッシンジャー氏へのインタビューを試みた記者は資料を調べ上げ、実際にキッシンジャー氏が当時発言した音声まで探し当て、これを本人が発言した証拠としてキッシンジャー氏に聞かせた。


それがどのような発言であったか記憶が曖昧ではあるが、「これはあなたが言いましたよね?」と迫る記者に最初は「昔のことなので良く覚えていない」とキッシンジャー氏はやんわり対応していたが、言質を取りたい記者がなおも迫ると、それまで静かだった巨山は大きく動いた。


「あなたたちは、どうしても私の口から中国のことを悪く言わせたいようだが、そういう話が目的だったら協力しかねる。友人のつてで、どうしても、ということで受けたインタビューだったが、そういう意図だったら話したくない。帰る!」と激昂。我々が背広に着けさせていただいていたタイピン・マイクを自ら乱暴に外し、部屋を出て行ってしまった。


部屋にすし詰めになっていたスタッフはあまりの出来事に全員無言であった。当然ではあるが、後日、いろいろあったと聞いた。


2回目にお目にかかったのは4年後の2016年。写真はその時のものである。



▲写真:2016年、キッシンジャー氏のオフィスにて)筆者提供


場所は2012年のインタビューの時と同じ、キッシンジャー氏のオフィスの応接室であったが、この時は新しく出された著作に関するインタビューだったので、終始、氏は上機嫌であった。


「 Excuse me Sir、マイクを付けさせていただきます」


「ああ、よろしく」


たったこれだけ、ひとことのやり取りであったが、会話は鮮明に記憶に残る。


私が小学生だった時テレビで見た人。


大人になってからは、ゴルゴ13にも出てきた歴史上の人物と直に話を交わせたのは、それだけでも自分の宝の記憶の一つだと思っている。


ご冥福をお祈りします。


 


トップ写真:大西洋を越えた関係に対する「顕著な貢献」に対して、ベルリンのアメリカン・アカデミーから授与されるヘンリー・A・キッシンジャー賞の受賞式にて。2019年はドイツのアンゲラ・メルケル首相に授与された。2020年1月21日 ドイツ ベルリン


出典:Adam Berry/Getty Images


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください