34年ぶりの国連憲章第99条発動とガザ戦争

　イスラエルは、ガザ地区の第二の都市ハンユニスを包囲しているとされ、攻撃を増している。ガザの市民にさらに移動するよう要求しているが、移動しても身を守れる安全な場所はどこにもない。さらに多くの市民が犠牲になることが予想され、国連の人道支援体制はもはや機能していない状況だと国連のグリフィス緊急人道支援調整官が悲痛な訴えをしている。

　拒否権を行使した米国も棄権した英国も、民間人は保護すべきであり、国際人道法を尊重しなければならないと訴えているが、ネタニヤフ首相はハマスを壊滅するまで戦闘を続ける覚悟でいる。その場合、イスラエルの人質がさらに解放される保証はなくなる。戦闘が収束してもイスラエルの孤立は避けられなくなる。バイデン政権も既に難しい立場に置かれている。イスラエルは戦闘に勝っても戦略的に負けると米国の高官までもが発言する理由が分かる。

トップ写真：COP28でスピーチをするグテーレス国連事務総長　2023年12月2日　2023年12月2日、アラブ首長国連邦・ドバイ　エキスポシティ・ドバイ

出典：Photo by Mahmoud Khaled / COP28 via Getty Images