経済悪化で習政権窮地へ 【2024年を占う!】国際・中国内政
Japan In-depth / 2023年12月17日 11時2分
しかし、かつて王岐山の秘書だった董宏と田恵宇が、党規律違反で失脚(h)した。王岐山が習主席と対立した以上、当然の帰結かもしれない。このように、目下、習派と「反習派」との間で“食うか食われるか”の熾烈な党内闘争が行われている。
さて、李強首相と党務を担当する蔡奇が習主席の権力の一部を分担している。近頃、主席が徐々に権力を移譲させようとしている兆候が見られる(i)という。しかし、学者達は、主席は常に調停者の役割を果たし、最終的な決定権を持つと主張する。
彼らは習主席の部下であっても、背景が同じではない(李強は「浙江幇」で蔡奇は「福建幇」)(j)。戦利品の不均等な分配、寵愛を受けるための競争などで、党内での紛争は避けられないという。
結局、2024年、習政権は経済悪化に歯止めがかからない公算が大きい。そこで、ひょっとすると、来年、党の内部分裂で中国共産党政権の終焉を目の当たりにする(k)かもしれない。
〔注〕
(a)『VOA』
「第20期3回全会の度重なる延期がなぜ注目されるのか。『三中全会』と中国共産党の会議システムを理解する」(2023年12月3日付)
(https://www.voachinese.com/a/7381851.html)。
(b)『万維ビデオ』
「第二の秦剛、また副国級レベルが捜査されたか?」(2023年9月7日付)
(https://video.creaders.net/2023/09/07/2645611.html)。
(c)『自由時報』
「外国メディアは7月に秦剛がすでに死亡したと報じた ロシア外務次官が習近平に〔中国ロケット軍が米国への自国ミサイル部隊に関する情報をリークした件を〕密告し、ロケット軍が粛清されている」(2023月12月7日付)
(https://news.ltn.com.tw/news/world/breakingnews/4513680)。
(d)『中国瞭望』
「李克強の上海での急死に関する新報道」(2023年10月31日付)
(https://news.creaders.net/china/2023/10/31/2664649.html)。
(e)『万維ビデオ』
「衝撃的な噂:李克強が亡くなる前、反習派は習近平の後継者を準備していた」(2023年10月30日付)
(https://video.creaders.net/2023/10/30/2664150.html)。
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