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アルゼンチン・ミレイ新大統領、現実路線に転換か ベネズエラ、メキシコ大統領選も注目【2024年を占う!】国際:中南米

Japan In-depth / 2023年12月26日 22時0分

さらに大統領選の行方に影を投じているのが、ベネズエラと隣国ガイアナの領土紛争。ベネズエラは12月初め、ガイアナの国土の3分の2を占めるエセキボ地域の領有権が自国にあるかどうかを問う国民投票を実施し、9割の国民から支持があったと主張、両国間の対立が激化した。同地域では近年、油田の存在が相次いで確認されており、ベネズエラはここを自国領とすることで石油資源を確保する思惑があるとされる。また、マドゥロ政権が大統領選を控え国民の愛国心に訴え、政権への求心力を高めたい狙いもあるようだ。国民に不人気のマドゥロ大統領が大統領選で勝利できないと判断すれば、この領土紛争を口実に非常事態を宣言し、選挙中止という強硬手段に出ることも懸念される。





■ メキシコ史上初の女性大統領誕生へ 





中南米の大国メキシコにとって2024年は記念すべき歴史的な年になりそうだ。同国史上初の女性大統領の誕生が確実視されるからである。2024年6月2日に行われるメキシコ次期大統領選で与野党の女性候補同士の一騎打ちとなることはまず、間違いない情勢だ。





憲法の規定で大統領の再選が禁止されているためロペス・オブラドール現大統領は立候補できない。与党連合からは大統領の側近中の側近で前メキシコ市長のクラウディア・シェインバウム氏(61)が出馬する。これに対し野党連合は先住民出身のソチル・ガルベス上院議員(60)を擁立する。ロペス・オブラドール政権は2018年の発足以来、エネルギー分野を中心に国家の介入や最低賃金引き上げをはじめとする社会保障の拡充を図る左派色の強い政策を実施し、低所得層から高い支持を獲得してきた。シェインバウム氏は現政権のこうした政策を引き継ぐと表明している。





一方、ガルベス氏は上院議員として政治経験もあるが、先住民の貧困家庭で育ち苦学の末、ビジネスで成功を収めた実業家という別の顔もある。現政権の犯罪対策を厳しく批判、エネルギー部門の自由化や外国企業誘致に積極的姿勢を示す。現地の有力調査機関の世論調査によれば、10月末の時点でシェインバウム氏が支持率50%でガルベス氏の20%を大幅にリードし、11月末でも48%対24%とシェインバウム氏が断然優勢。選挙戦は2024年3月から本格化する見通しで、「ガルベス氏が徐々に追い上げる傾向が出ており、シェインバウム氏当選はまだ確実ではない」(メキシコ有力紙「エル・ウニベルサル」の政治アナリスト)との分析もある。





(了)





トップ写真:大統領就任式に臨むアルゼンチンのミレイ大統領(2023年12月10日アルゼンチン・ブエノスアイレス)出典:Marcos Brindicci/Getty Images




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