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鮎川義介物語⑪日産の満州進出を電撃発表

Japan In-depth / 2024年1月14日 11時0分

この間、協議は中断したものの、10月下旬、鮎川は病を押して飛行機で満州に旅立ちました。医者は止めていましたが、秘書を連れて横田飛行場から軍用機を使ったフライトです。





新京には、鮎川の懐刀である浅原常務が先に入っていました。新京のホテルは満室でしたが、浅原は鮎川の部屋については、風呂のついた高級ルームを用意しました。





2人はロビーで会いました。





「浅原君、君は風呂が好きか」





「はあ、好きですよ」





「それなら、君は僕の部屋に移りたまえ。僕は、風邪をひいているので、風呂には入らん。無駄だから変わろう」





「社長、そうおっしゃっても、風呂付の部屋の方がランクが上で、社長にあっていると思います」。





「いや、僕は無駄が嫌いだ」。





鮎川はさっさと荷物をまとめて、浅原の部屋に移ったのです。





10月29日。鮎川率いる日本産業が満州へ進出することが発表されました。日本と満州で同時発表です。これまで秘密裏に交渉が進んでいたのです。日産内部でも重役が知ったのは、発表の前日です。三井、三菱、住友など情報網のある財閥も、この情報をキャッチできなかったのです。





鮎川の満洲進出は、世間で喝采を浴びました。反財閥の風潮が高まる中、鮎川は絶大な人気を博したのです。





11月29日の臨時株主総会で、鮎川は「なんとなく、ふらふらとしているうちに決まりました。夢のようである」と述べています。





(その⑫につづく。①、②、③、④、⑤、⑥、⑦、⑧、⑨、⑩)





トップ写真:大連・沙河口の南満州最大の鉄道車両工場(20世紀初頭 ※写真と本文は関係ありません)出典:Photo by Culture Club/Getty Images




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