バイデン政権の対外政策の欠陥とは その4 トランプ氏再選の見通し
Japan In-depth / 2024年1月27日 17時0分
ただし、いまのアメリカの主要メディアは党派性が強くて、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、CNNがなどは極端に民主党びいきです。徹底してトランプ叩き、保守叩きを展開しています。日本の主要メディアはこの民主党傾斜のアメリカの新聞やテレビの報道に依存するところが大です。その結果、アメリカの情勢は日本のマスコミをみていても正確にはわかりません。
日本の新聞やテレビをみているだけではわからないのは、とくにバイデン氏の統治能力の低下です。バイデン大統領はいまもなお毎週のように、失言、放言、虚言を繰り返しています。ここ数ヵ月の間だけでも、ウクライナ戦争をその舞台がイラクだと失言したり、交通事故で死んだ女性の下院議員に弔電を送りながら、その直後の集会で、その議員の名を呼んで「どこにいるか」と問うたり、虚言つづきなのです。
バイデン大統領は肉体的にも衰えが顕著です。昨年は大統領専用機のタラップを登る過程で3回も転びました。日ごろのホワイトハウスの平地での歩行、あるいは大統領選用ヘリコプターに乗る際の動きなど、老化が目立ちます。実際に民主党陣営の内部にも、バイデン氏はこれでは選挙には勝てず、大統領の執務能力も疑問だから、2024年の大統領選ではみずから立候補の辞退を宣言すべきだという声があるのです。オバマ元大統領もそうした意見を抱いているとも伝えられます。
バイデン氏のこうした窮状は日本のメディアではくわしくは報じられません。その第一の理由はアメリカの民主党寄りの大手メディアがそれを報じないことです。しかしアメリカ国内には民主党傾斜ではない有力メディア、たとえばウォールストリート・ジャーナルやFOXテレビという存在があります。その種のメディアではバイデン大統領の衰えをきちんと報道しています。
バイデン氏はいま81歳ですが、その劣化は単なる加齢とはやや異なります。アメリカの政界には80代で堂々と活躍し、失言や虚言はゼロという政治家はかなりの数、存在します。たとえば上院のバーニー・サンダース議員、下院のナンシー・ペロシ前議長などです。
(その5につづく。その1、その2、その3)
**この記事は月刊雑誌「明日への選択」2024年1月号のインタビュー記事の転載と一部加筆です。
トップ写真:演説するために壇上に上がる時つまづくジョー・バイデン米大統領(2023年10月13日 ペンシルベニア州フィラデルフィア) 出典:Mark Makela/Getty Images
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