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鮎川義介物語⑱(最終回)日米開戦回避にも尽力

Japan In-depth / 2024年1月27日 23時0分

5万人のドイツ系ユダヤ人を満州に移住させ、同時にユダヤ系のアメリカ資本の導入を図る政策です。ユダヤ系アメリカ人はアメリカ国内で大きな政治的な影響力を持っており、鮎川は、アメリカ資本の誘致で、緊張関係を少しでも緩和できるのではないかと考えました。





また、日独伊の三国同盟に反対し、アメリカやイギリスとの関係改善を図っていたのです。それは日本側の「1人相撲」ではありません。鮎川は、アメリカの政財界人らとのネットワークを構築し、側近の高碕達之助を使って、元大統領のフーバーらと共闘を図っていました。フーバーはフランクリン・ルーズベルトの対日強硬姿勢に反対しており、鮎川は気脈が通じていました。





それにしても、鮎川義介の生涯をたどっていくと、私は驚嘆の連続でした。「俺は絶対に金持ちにならない。だが、大きな仕事をしてやろう。願わくば、人のよく行い得ないで、しかも社会公益に役立つ方面を切り開いていこう」。これは鮎川の言葉です。こうした公益を目指す起業家が登場することこそが、日本の明日をつくるのです。





(完結。。①、②、③、④、⑤、⑥、⑦、⑧、⑨、⑩、⑪、⑫、⑬、⑭、⑮、⑯、⑰)





トップ写真:鮎川義介 出典:「近代日本人の肖像」国立国会図書館




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