イラン指導部、対米攻撃を選択する可能性も
Japan In-depth / 2024年2月7日 11時16分
そうであれば、一神教の世界ではない日本にはそもそも「反ユダヤ主義」など存在しないではないか。日本の報道を「親パレスチナ」と批判するその友人には、「日本のパレスチナ報道は『反ユダヤ』ではなく、強いて言えば一種の『反戦』主義であり、ユダヤを敵視したものでは決してない」と説明したのだが、結局納得してもらえなかった。
ユダヤ系米国人に限らず、ユダヤ系の人々は、世界、特に欧米で今、「反ユダヤ主義」「反イスラエル感情」が吹き荒れていると見ている。日本はこうした「負の遺産」のない数少ない国の一つだが、だからこそ、紹介したような誤解を避けるためにも、日本発の「パレスチナ報道」には、欧米とは別の意味で、注意が必要だと考える。
続いては、欧米から見た今週の世界の動きを見ていこう。ここでは海外の各種ニュースレターが取り上げる外交内政イベントの中から興味深いものを筆者が勝手に選んでご紹介している。欧米の外交専門家たちの今週の関心イベントは次の通りだ。
1月30日 火曜日
・アルゼンチン議会が大統領の包括経済法案について採決
・米中専門家、北京で麻薬問題について協議(31日まで)
・仏大統領、スウェーデン訪問
1月31日 水曜日
・国連安保理、イスラエルに関する国際司法裁判所の判断を審議
・ミャンマーの非常事態宣言期限
・ブラジル中銀、公定歩合を決定
2月2日 金曜日
・EU外相会議(3日まで)
2月4日 日曜日
・エルサルバドル、総選挙
最後は、いつものパレスチナ情勢だ。筆者の見る現時点での状況は次の通り。
●イスラエルは、仮に人質が全員帰ってこなくても、ハマス掃討作戦を止めない
●ハマスは最後まで人質全員を解放する気はないだろう
●米軍の親イラン・ミリシアに対する報復は限定的なものとなるだろうが、問題はイランがこれらのミリシアをコントロールする「気があるか」、または「能力があるか」である
今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは今週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
トップ写真:ヨルダンで無人機による攻撃で死亡した米兵の棺の搬送を敬礼で見守るバイデン米大統領(2024年2月2日 米デラウェア州・ドーバ空軍基地)出典:Photo by Kevin Dietsch/Getty Images
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