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「高岡発ニッポン再興」その131 議会軽視、住民軽視の空き校舎答弁

Japan In-depth / 2024年2月11日 17時0分

「高岡発ニッポン再興」その131 議会軽視、住民軽視の空き校舎答弁




出町譲(高岡市議会議員・作家)





【まとめ】





・旧平米小学校跡地問題をめぐり、高岡市の二元代表制が危機的状況に。





・同小学校の閉校以降、教育長は比較的新しい校舎について教育総合支援センター設置の方針を示していた。





・しかし市はこの方針を白紙にし、民間売却を検討している。





 





市議会での答弁は重いものです。税金がどのように使われるか。当局が方針を打ち出し、議会がチェックする。それが二元代表制です。高岡市なら、市議会議員である私の質問に対し、市当局は誠実に答えなければなりません。その答弁がぶれていると、市民は何を信じていいのか、分からなくなります。ところが、驚くべき事態が起きました。「議会軽視」「住民軽視」で、二元代表制が危機的な状況になっているのです。





きっかけとなったのは、旧平米小学校の跡地問題です。ここは高岡市のまちなかの小学校です。おととし3月に閉校して以来、空き校舎となっています。





教育長は去年3月定例会で、比較的新しい校舎については、新たに教育総合支援センターを設置する方針を示されました。この校舎は、平成12年につくられたばかりです。しかも、巨額のお金を投じて、耐震工事もしています。エアコンなども付けていました。





私は壊さず、活用する方向となり、ほっとしていました。教育総合支援センターは不登校の子どもたちが通う施設です。再び、子どもたちの声が聞こえるようになるとの期待感も広がりました。





その後、音沙汰がなかったので、私は12月定例会で、教育総合支援センターを設置するという方針に変更はないかと聞きました。確認のための質問です。





教育長の答弁は明快でした。「令和5年3月定例会で答弁したとおり、本市が抱える課題の解決を図るため、教育総合支援センターを設置するという方向性に変わりはない」。





去年3月の定例会では、最大会派の会長の代表質問に答弁。そして、12月には、私の質問に答えたのです。





議会で2回も答弁すれば、それが市の方針になります。地元でも、子どもたちの声が聞こえるようになると期待感が膨らみました。





ところが、わずか1カ月で、状況が一変したのです。高岡市は、平米連合自治会の幹部にその方針を白紙にし、民間に売却することを検討していると説明しました。地元では困惑の声が上がりました。





なぜなのでしょうか。教育委員会は、地元が体育館とグランドを残して欲しいと訴えたからだとしています。高岡市には、学校の敷地に関しては原則、民間活用という考えがある。このため、地域の提案で体育館とグランドを残すのであれば、新校舎部分については、教育総合支援センターではなく、民間活用を検討することになったというのです。民間といっても、どんな民間なのか。不安ですよね。





そして、もう一つ疑問があります。そもそも前の教育長のころから、地元は、体育館とグランドを残して欲しいと訴えていたのです。それなのに、地元との協議で突然浮上したと、教育委員会は主張したのです。





私はこれまで空き校舎問題について繰り返し質問。その際、教育長は地元の皆さんの意見を丁寧に聞くと答弁していました。それなのに、地元の住民と話し合ったのは、2回だけしかありません。去年5月と11月の2回だけです。しかも、11月での会合は、4人しか出席していません。これでは、「地元の意見を丁寧に聞く」という答弁そのものも、嘘っぽく感じます。議員としての任期はあと2年足らずです。私は対話の必要性を訴え続けます。





トップ写真:空き校舎となった旧平米小学校(筆者提供)




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