バイデン大統領の記憶力はやはり貧弱
Japan In-depth / 2024年2月20日 23時0分
古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・バイデン大統領にとって不利な情報を日本のメディアは伝えない。
・バイデン氏の機密書類違法持ち出し事件、不起訴の理由は「記憶力の衰え」。
・予備選の本番が展開するというこの時期にバイデン氏に痛烈な打撃。
アメリカの大統領選挙の予備選がいよいよ熱気を帯びてきた。その過程で目立つのが民主党現職のジョセフ・バイデン大統領の負の言動である。特にバイデン氏の発言での誤認や虚構が頻繁に指摘される。バイデン氏の政治指導者としての記憶力、さらには判断力への疑問が高まるのだ。
バイデン氏のその種の失言や放言は日本の主要メディアではあまり報道されない。その理由を簡単に言えば、日本の主要メディアが依存するアメリカ側の主要メディアが民主党支援に傾き、バイデン大統領にとって不利な情報をあまり伝えないからではないか。アメリカ側の偏向報道が日本での偏向報道を生むという悪習である。この悪習の悪影響は重大であり、日本にとって最重要な超大国アメリカの政治情勢を大きく見間違える危険を生むからだ。
2月中旬のワシントンD.C.での動きを簡単に追っただけでも、バイデン氏の発言や動作の欠陥を指摘する報道は多い。G7の近年の状況を語る際に、ドイツとフランスの国名を間違え、両国の首脳の名前をも間違える。中東情勢のイスラエルとハマスの関係を話しているうちに、突然、メキシコが主題となる。
ただしこうしたバイデン大統領のマイナスの言動を報じるのはアメリカの多様なメディアでも、ウォールストリート・ジャーナル、FOXテレビ、ニューヨーク・ポスト、ワシントン・タイムズなど中立、あるいは保守系の新聞やテレビである。日本でお馴染みのニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、CNNテレビという民主党支持の大手メディアはバイデン大統領のミスはほとんど無視して、対抗馬の共和党ドナルド・トランプ前大統領の言動に徹底した批判や非難をぶつける。党派性があまりに露骨なのだ。
だがバイデン大統領の錯誤や錯乱はあまりに多い。欧州やオーストラリア、ニュージーランドで放映される国際テレビのスカイ・テレビジョンまでが最近、「バイデン大統領の失態」と題する特集番組を流した。同大統領の失言や虚言、さらに転倒や迷走の実例を集めた番組だった。同大統領の統治能力への疑念が国際的になったことの一例である。
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