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【ファクトチェック】気象庁「今年は4月から去年の夏ぐらいの猛暑が始まります」→ミスリード

Japan In-depth / 2024年2月24日 18時52分

では、直近の3カ月予報はどうだろうか。気象庁の「向こう3か月の天候の見通し」(3月~5月)を見てみる。





それによると、北日本および東日本においては、平年とほとんど気温は変わらないという予測がされており、西日本においては平年並みかそれよりも少し高いという見解がなされている。ただし、沖縄・奄美地方においては平年よりも気温が高くなる見込みがあると予報している。





検証対象である当該ポストの見出しの「4月から去年の夏ぐらいの猛暑が始まる」というほどではない。









▲表 向こう3か月の月別の平均気温 出典:気象庁





一方、新聞各紙の報道をみると、





日本経済新聞(2月20日)は、24年の夏も全国的に猛暑 気象庁「熱中症対策を」の記事の中で、(気象庁の)担当者は「4月ごろから暑くなる可能性があり、十分な熱中症対策をしてほしい」と呼びかけた、と書いている。また、「今年が昨年ほど高温となるか不明だが、偏西風の蛇行など、さらに複数の要因が重なれば記録的な暑さも否定できないという」との記述もある。この記事は共同通信の引用だ。





また、朝日新聞(2月20日)も、「今夏も昨年並み猛暑か、気象庁「早めの対策を」 関東で今年初の夏日」の記事の中で、「同庁(気象庁)異常気象情報センターの楳田貴郁所長は「4~5月から暑さが増していく可能性もあり、家の冷房を試運転しておくなど早めの熱中症対策をしてほしい」と呼びかけた」、と報じた。また、「高温をもたらす条件が重なった場合、観測史上最も暑くなった昨夏並みか、それ以上になる可能性もあるという」と報じている。こちらは署名記事だった。





気象庁のホームページには、「4月から去年並の猛暑」になるという予報は記載されていないが、複数の新聞報道などを見る限り、記者会見で同庁の担当者が、「4月頃から暑くなる可能性がある」として、「熱中症対策」を呼びかけたものと思われる。





また共同と朝日の書きぶりから、「条件が重なれば、去年並かそれ以上の暑さもありうる」とのニュアンスの発言もあったと推測される。ただ、気象庁が会見で、「4月から去年の夏ぐらいの猛暑が始まる」と明言したかどうかは不明だ。





以上のことから、今年の夏が平年より暑くなるとの気象庁の予報は間違いないが、「去年の夏ぐらい」の気温になるかどうかは断定できない。あくまで複数の要因が重なった場合に、という条件付きだと思われる。





■ 判定





気象庁の「夏の天候の見通し」や、複数メディアの報道などから、当該ポストは、「一軒事実と異なることは言っていない」が、「4月から去年と同じくらいの猛暑が始まる」と気象庁が予報しているとまではいえず、「誤解の余地が大きい」。よって「ミスリード」と判定する。





【Japan In-depthファクトチェックポリシー】





Japan In-depthは、NPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)のメディアパートナーとして、ファクトチェックを実施しています。FIJが定めたガイドラインに準拠して、言説の真実性・正確性の評価・判定を行います。政治家、有識者の発言、メディアの報道、ネット上で拡散されている情報など、社会的に影響の大きな言説を対象とします。判定基準は以下の通りです。









トップ写真:日傘をさして歩く人々(イメージ ※本文とは関係ありません)2018年7月21日兵庫県・神戸 出典:Buddhika Weerasinghe /GettyImages




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