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ドイツに負けた本当の理由は「人への態度」にある【日本経済をターンアラウンドする!】その20

Japan In-depth / 2024年2月25日 23時0分

【質問3】他人が最低限度の暮らしを保証するために税金をあげる必要がありますが、これに反対ですか?





この3つの質問に答え方の中には、「YES」という人が多いだろう。人間なんて自分がかわいい人が多いからそんなものだろう。でも、人は知っている他人や仲間には優しいし、支えてあげたいとも思っている。しかし、自分の利害が絡むと話はかわってくる。





そこに日本社会のジレンマがある。消費者が安価なものばかりを求めたり、値上げに過剰に反発したり、現場に過剰なサービスを求めたりしていくと、企業の現場は非常に苦しくなる。経済はまわりまわっていくもの、経済はつながっている。自分自身の合理的な経済行動が、結局、経済全体を委縮させてしまう。デフレから続く、失われた30年の特徴はまさにここにあった。





□ドイツに追いつくために





この30年間日本がまともに成長しなかったし、企業競争力も低下しつつあった。昭和の成功モデルが失敗したのに、それを大きく修正できなかったわけだ。たしかに、ドイツが安いエネルギー価格で、輸出が好調でといっても、ドイツの輸出製品単価は一貫して上昇。他方、日本は輸出数量を確保するために、製品単価を値引きをした。そうせざるを得なかったという意味で、商品開発力でも負けたわけだ。





商品開発力を上げるには「人への態度」を改め、「人に投資」するしかない。人を大切にして、安心を確保し、ウェルビーイングを追及してもらい、人の能力を信じ、イノベーションを起こしていく、そうするしかないということだ。権威主義的な組織で、現場に負担を強いるような組織人事ではいかんせんドイツに勝てるはずはない。





企業は人的資本に投資して、労働者の能力やイノベーションを起こして、収益をあげる。労働者は賃上げを要求し、要求が認められなければ転職し、残るのなら楽しく仕事でき、やる気にみちて・試行錯誤して学び、成長し・与えられた仕事だけでなく、自分から提案・挑戦する・結果、目標達成、業績が向上・成長できる。





こういうモデルを作っていかなければならない。輸出促進、産業競争力を上げていくことをもっと真剣に考えないといけない。賃上げや新しい資本主義はその意味で正しい。岸田政権に期待したい。





トップ写真:東京丸の内の交差点 出典:ooyoo/Getty Images




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