トランプ陣営の対日政策文書とは その3 日本と台湾の絆をアメリカが守る
Japan In-depth / 2024年3月7日 13時11分
日本は米軍の空母とその機動部隊の半永久的な母港化や、枢要な空軍基地の使用を含む合計5万人以上のアメリカ軍部隊の駐留を受け入れている。その日本がもし中立化というような骨抜き状態となれば、アメリカの太平洋での防衛線をハワイ、アラスカ、カリフォルニアにまで押し戻すことになり、アメリカにとっての戦略的な大惨事となってしまう。
★安倍時代の国家の再生と成熟
日本で最長の首相任期を務めた故・安倍晋三氏は母国を第二次世界大戦の敗北の負の影響下から引き出して、持ち上げ、アジアにとって有益な近代的、民主的、そして責任を有する勢力としての正当な地位に位置づけることにその熱望に満ちた生涯を捧げたといえる。全世界的にも日本を正当な位置におこうとする努力だった。
安倍氏は日本を「普通の国」にするという構想を持っていた。つまり日本をアメリカの従属的なパートナーではなく、消極平和主義の憲法の制約に阻まれた半国家でもなく、他の独立国家、主権国家と同じにするという構想だった。この方向へ向かっての少しずつの進化は安倍氏の二期目の首相在任、つまり2012年から2020年の期間の前から起きていたが、安倍首相こそがこの新しい日本の化身であり、象徴の人物だった。
安倍氏の暗殺は同氏が活気づけてきたこの日本の動きの殉教者に同氏自身をしてしまったのだった。
安倍氏は首相在任中は前例のない諸政策を施行した。首相退任後も前例のない表現による大胆で率直な言明を続け、自民党の前進の軌道の形成に寄与した。その結果、後任の岸田文雄首相らが安倍氏の遺産を確実に継続していくということとなった。
(その4につづく。その1、その2)
トップ写真:習近平中国国家主席と握手する安倍晋三元首相(2016年9月4日 中国・杭州で開催されたG20サミットにて)出典:Lintao Zhang/Getty Images
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