トランプ陣営の対日政策文書とは その5 日本の反撃能力保持の意味
Japan In-depth / 2024年3月10日 13時22分
★インド太平洋の同盟システムでの不可欠な一員
日本がアジア地域の海洋防衛網への参入を増加させることを象徴するように、出雲は2019年以来、毎年、実施される海上自衛隊のインド太平洋への4隻での航行演習の主導役となった。この小規模ながらもの機動艦隊は2隻の駆逐艦と1隻の潜水艦とともに太平洋と東南アジアの海域全体を航行し、演習や索敵の行動を実施するようになる。
さらにもっとも重要なのは、この艦隊がリムパック(RIMPAC 環太平洋合同演習)に参加することである。リムパックとはハワイを拠点とするアメリカ軍によって主導される世界でも最大の国際的な海洋戦闘演習である。この日本の艦隊はさらにアメリカ、オーストラリア、韓国、フィリピン、などとの他の多様な軍事、文化、市民活動に関する交流にも加わることになる。なかでも注視されるのは日本とインドだけが合同で実施する訓練、日印共同訓練(JIMEX)である。
日本政府は2004年にイージス装備の駆逐艦と地上配備のパトリオット・ミサイル発射装備を組み合わせた弾道ミサイル防衛(BMD)能力の開発を始めたが、2020年夏までには安倍政権は敵国のミサイル発射基地を破壊できる能力を有する長距離の巡航ミサイルの調達を検討することを公式に明らかにした。この攻撃能力というのは日本にとって前例がない。つまり戦後の日本の防衛で初めての反撃能力の保持ということである。日本の陸上自衛隊(GSDF)はいまや台湾の海岸から186マイル(297キロ)しか離れていない琉球列島の石垣島にこの種のミサイル部隊を配備することとなった。
中国による台湾周辺での2022年8月の前例のない大規模な軍事演習の後、日本は長距離巡航ミサイル1000基以上を調達することを発表したのだった。
(その6につづく。その1、その2、その3、その4)
トップ写真:日印合同訓練(JIMTEX 2023)出典:自衛艦隊ホームページ「日印共同訓練(JIMEX2023)について」
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