ポルトガル総選挙、極右政党躍進
Japan In-depth / 2024年3月12日 18時0分
シェーガ(so much for thatの意味らしい)は5年前総選挙で初議席を獲得、その主張は「移民規制強化」「政治腐敗の撲滅」などで、欧州の他の「極右」政党と大きく変わらない。こうした現象はあくまでポルトガル独自の一時的現象なのか、それとも今後10年の欧州の姿を暗示しているのか。ロシアよりこちらの方が気掛かりである。
こうした欧州の動きを「煽っているのか、呼応しているのか」は別として、似たような動きは米国でも起きている。筆者は8年前、「トランプ大統領とダークサイドの逆襲」という物騒な本を書いたが、同書を読み直してみても、今欧米で起きている現象は、一連の、もしかしたら変更不能の、大きな政治的潮流ではないかと危惧している。
こうした見地から、先週のJapanTimesに “Wake up, America!(アメリカよ、目を覚ませ)”と題したエッセイを寄稿した。これまで一部の米国識者は「American exceptionalism(アメリカ例外主義)」を唱えてきたが、今やアメリカは「例外」ではなく、民主主義が機能しない、自己中心的な、ごく普通の国になりつつあるようだ。
筆者に言わせれば、アメリカ例外主義とは「底抜けにナイーブで、単純で、率直でありながら、世界のリーダーなどと煽てられれば、その国力を国際社会の公益のために、惜しげもなく使う美徳を備えた人々からなる国家の信条」である。こんなことをやろうとする国は、この世界で、米国以外に存在しなかったのも事実だ。
その意味で、アメリカは例外であり、その同盟国もこれを歓迎し、利用してきた。ところが、今のアメリカはもはや「例外」ではなくなりつつある。されば、他の国々も、アメリカをそのように扱い始めるだろう。それがどれほどアメリカの国益を犠牲にするかをトランプ候補とその支持者は理解しているのだろうか・・・。と筆者は書いたのだ。ご関心の向きは先週のJapanTimesをご一読願いたい。
続いては、欧米から見た今週の世界の動きを見ていこう。ここでは海外の各種ニュースレターが取り上げる外交内政イベントの中から興味深いものを筆者が勝手に選んでご紹介している。欧米の外交専門家たちの今週の関心イベントは次の通りだ。
3月11日 月曜日
カリブ共同体諸国、ハイチ問題で首脳会議(ジャマイカ)
米大統領、2025会計年度の予算教書発表
中国の全人代が閉幕
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