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トランプ氏訴追の検事「不倫と人種カード」

Japan In-depth / 2024年3月24日 17時0分

しかし今回のこの混乱の結果、ウィルス検事が着手した起訴事件の追及自体が遅れる可能性も生まれてきた。





なおウィルス、ウェード両氏とも年来の民主党活動家で司法の世界にあっても、かねてからトランプ氏や保守派への強い政治的反対は堂々と表明してきた。だからこの起訴自体にもどうしても、民主党陣営が共和党側を司法という手段を使って政治的に攻撃するという印象が生まれるわけだ。





しかしマクフィー判事の裁定で注目されたのは、ウィルス検事がこの案件の進行中の今年1月に地元で行った講演について「この主張は一部の関係者に人種上の中傷を与えた」と批判した点だった。ウィルス検事はこの講演で自分とウェード氏への非難に対して「彼らは捜査陣のなかの黒人を攻撃しているのだ」と述べた。「彼ら」について実名はあげなかったが、自分やウェード氏を非難するトランプ陣営側の白人関係者を指していることは明白だった。





この点、マクフィー判事は裁定のなかで「この発言はウィルス検事やウェード氏を批判する側が人種差別を動機としているという『人種カード』の利用とも思われる」と、批判をこめて言明していた。人種の問題が大統領選の争いにもからんでくるというアメリカの現実ともいえそうだ。





なおトランプ陣営はこのマクフィー判事の裁定に対して、ウィルス検事の捜査の継続を認める部分などに不服だとして、上訴した。





*この記事は日本戦略研究センターのサイトへの古森義久氏の寄稿論文の転載です。





トップ写真:フルトン郡庁舎で記者会見を行った、ファニ―・ウィルス地方検事(中央)と、ネイセン・ウェード特別検察官(右)2023年8月14日ジョージア州アトランタ 出典:Joe Raedle/Getty Images




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