宝塚 劇団員急死問題で一転いじめ認める
Japan In-depth / 2024年3月29日 11時1分
「2021年8月14日、宙組上級生が、被災者が自分でやることを望んでいたにもかかわらずヘアアイロンで被災者の髪を巻こうとして、 被災者の額に1か月を超えて痕が残るほどの火傷を負わせたこと、及び、 それにもかかわらず、当該宙組上級生は、真に被災者の気持ちを汲んだ 気遣い・謝罪を行わなかったこと」、とした。
なぜこの上級生が被災者の意思に反して、「被災者の髪を巻こうと」したのか書いてないが、パワハラ行為のトップに持ってきていることから、この行為はパワハラと認定されているということだ。
いずれにしても、組織防衛をしたつもりが、猛烈な社会からの批判を招き、これではまずい、と方針を一変させ、いじめを認めて合意に持っていったと受け取られても仕方がない。最初からそうしていれば、宝塚に対する世間の印象は違っていただろうが、すべては手遅れだ。
奇しくも、旧ジャニーズ事務所の問題と同じ教訓を提示している。伝統を守ろうとして伝統を大きく毀損した例として、語り継がれることになろう。
芸能・スポーツの世界で不祥事が相次いでいる。大相撲も、元幕内・北青鵬による暴行問題に端を発し、宮城野部屋の当面の閉鎖が決まるなど、揺れに揺れている。パワハラ・いじめ・セクハラなど、一般社会ではすでに厳しく取り締まられているものが野放しになっている印象だ。
過去、幾度となく指摘されてきたこれらの悪しき因習を一掃する覚悟がない組織、人の命や尊厳を守れない組織は、社会から退場を迫られるだろう。
宝塚が、新たなスタートを切るためには、相当の覚悟が必要だ。今回発表された「再発防止に向けた取組(劇団の改革)について」では、「興行計画の見直し(興行数・公演回数の削減)」を筆頭にさまざまな対策が列挙されているが、パワハラ・いじめは人の心の問題に起因する。いくら仕組みを作っても人は容易には変わらない。
もし宝塚が本当に変わったと社会に認知されるためには、それ相応の覚悟がないと、同じような問題がまた起きるだろう。それができるかどうか、今後厳しく問われ続けることになる。
トップ写真:宝塚大劇場 出典:bee32/GettyImages
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