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人生100年時代の目線 その1 賃上げ・物価高でも、年金が減る

Japan In-depth / 2024年4月4日 20時13分

厚生年金のモデル世帯は平均的な収入(賞与を含む月額換算で43万9000円)で40年間働いた夫と専業主婦のケース。しかしこのモデルは40年間保険料を納め続けた場合のことで、収入や勤続年数によって異なる。モデル通りもらえる人がどれだけいるか、心もとないが、あくまでも試算モデルである。





現役勤労世代の特に自動車、鉄鋼、電機など大企業の正規社員の賃金は上がったが、中小企業経営者や非正規社員ら若い世代との経済格差が広がっている。





将来への生活や老後不安からか、出生率は1・26、出生数は75万8631人で、ともに過去最低・最小を記録している。総人口は減り続けている。





将来の社会保障を背負う次世代の少子化に歯止めがかからない。マクロ経済スライド(このシステムは後ほど解説)方式で年金支給額は抑制され、物価高に追い付かない。年金受給額は実質、どんどん目減りしている。





物価や賃金の伸びを一応は反映し、数字の上では2年連続の増額。しかし本来の改定率は20〜22年度の名目賃金変動率である3.1%だが、年金額の伸びを抑える「マクロ経済スライド」も2年連続で発動されるため、マクロ経済スライドの調整分の0.4ポイントだけ低く抑えられる。





増加率は実際の賃金の伸びに比べて0.4ポイント目減りしたということになる。





■ マクロ経済スライドとは?





マクロ経済スライドとは、平成16年の年金制度改正で導入された。賃金や物価の改定率をそのまま年金にスライドさせて、アップさせる方式から、上げ幅のベクトルを緩やかにする。





日本年金機構によると「将来の現役世代の負担が過重なものとならないよう、最終的な負担(保険料)の水準を定め、その中で保険料等の収入と年金給付等の支出の均衡が保たれるよう、時間をかけて緩やかに年金の給付水準を調整すること」と説明している。調整とは、抑制、つまりは年金受給額が減るということだ。 下の図を見て欲しい。





日本年金機構のホームページから引用したマクロ経済スライドの仕組みを見てみたい=以下、引用(図は賃金・物価の上昇率が大きい場合のみ掲載 





〔賃金・物価の上昇率が大きい場合〕=2024年度に適用
 









▲図 出典:日本年金機構ホームページ(賃金・物価の上昇率が大きい場合)





〔賃金・物価の上昇率が小さい場合〕賃金・物価の上昇率が小さく、マクロ経済スライドによる調整を適用すると年金額がマイナスになってしまう場合は、年金額の改定は行われません。





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