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人生100年時代の目線 その2 広がる経済格差とこれからの年金

Japan In-depth / 2024年4月5日 18時0分

「バブルではない」との見方もあるが、実体経済との乖離は財界の一部からも出る。好景気か、と言えば、やはり落差が大きい。


 


人生100年時代、高齢者を始め中小企業の経営者、非正規を含む労働者世代間の格差が広がり失望感が残る。


異次元の金融緩和を主導したのはリフレ派と呼ばれる経済学者や経済の論客で、安倍晋三元首相のバックアップで経済政策をリードした。


「異次元緩和はデフレ脱却に向けて成果を残した」と肯定的な擁護論もあるが、それもアメリカの利上げでドル高、円安など対外要因に大きく左右された。物価上昇は円安資源輸入高など海外の経済・安全保障要因が大きい。冨者が利益を上げれば滴り落ちて貧者も潤うとのアベノミクス、トリクルダウン~こちらは今や提唱者も懐疑的で、頂上部の一部は潤っても、下に落ちるほどに小さな泡粒でさえも、すでにはじけてしまった。


■ 高齢者の格差拡大


派閥の政治資金パーティ裏金事件に追われる岸田政権は、新しい資本主義による格差の是正や分配、富裕層への増税政策などはトーンが落ちている。


今春闘では、円安高収益で内部留保した大企業の正社員の賃上げは、自動車や鉄鋼、電機など満額回答が相次ぐ。要求を上回る回答もある。


しかし負の側面として下請け、孫請け企業の賃上げ低迷、コスト削減圧力、非正規の処遇・低賃金など課題が残る。連合も参加の大企業正社員組合員だけでなく、関連の中小企業や非正規社員の処遇改善に目を向ける。


政府も中小企業が賃上げをした際に、大企業に納品する部品等に価格転嫁をしても、コストカットされない政策を奨励している。いわゆる下請け、孫請けいじめの是正策だが、これからの推移を見守るしかない。


 


高齢者も働く期間が長く伸びている。60~64歳で勤務している人の割合は70%を超えている。企業は65歳まで雇用継続が義務化され、60歳定年を延長する企業が増えているが、実際は60歳でいったん雇い止めにして、賃金や処遇を見直されるケースが多い。つまりは被雇用者の働く企業の処遇や、ポスト、被雇用者自身のスキルによって雇用条件、賃金、企業年金、老齢厚生年金受給額が大きく異なる。


 


■ 年金制度見直しは多岐、大改正の議論へ


 


年金は65歳からの満額支給(60~75歳まで繰り上げ、繰り下げも可)だが、自営業者などの国民年金、勤労者の厚生年金、公務員などの共済年金に大きく分令される。国民年金は20歳から60歳までの40年間の加入で、厚生年金は70歳まで加入できる。その間保険料を納め続ける。


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