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アメリカ議会で最活発な議員の去就

Japan In-depth / 2024年4月8日 0時23分

年齢ではまだ若手のギャラガー議員がこの特別委員会の委員長となったのは、本人の実力、実績だといえよう。中国問題ではかねてから重厚な議会活動を積み重ねてきたのだ。





ギャラガー議員は40歳だが、4期8年の議員歴を有する。海兵隊の将校を7年も務め、イラクでの軍務2回という異色の経歴である。退役後、名門大学で国際関係の博士号を得て、中国情勢にも精通する。議場での中国問題に関する発言、演説は適切な資料と論理で高い評価を受けてきた。中肉中背の体躯だが、過去7年、アメリカ議会主催の5キロのマラソンで連続優勝して、「議会で最速の走者」と呼ばれてきた。





ギャラガー議員は中国の膨張を「アメリカの21世紀のあり方を左右する国家存続にかかわる課題」と定義づける。ただし中国の政権と国民とを区分して、あくまで政権の無法な対外活動の抑止を主張するわけだ。





ギャラガー議員とは私も昨年9月、議会内のすしパーティーで会話をしたことがある。中国の日本の水産品禁輸に抗議して、議員たちが日本の魚のすしを食べる集いだった。下院議員が合計40人ほどもきたが、ギャラガー議員が来場すると、会場の空気が引き締まったことを感じた。





私が話しかけると、ギャラガー議員はすしをほおばりながらも、きちんと一対一の会話に応じてくれた。同議員は熱心にアメリカの中国抑止には日米同盟が重要な役割を果たすと強調し、中国の日本水産品の輸入禁止はなんの根拠もない無法な措置だと語った。





さてアメリカ議会の中国問題審議ではこれほど中枢の実績をあげてきたギャラガー議員が意外なことにこの4月中に議員を辞職すると発表した。このあたりはいまのアメリカ議会政治の激しい変動なのだろう。本人は家族にかかわる理由だと言明したが、やがて上院選挙に出るという情報もある。もしトランプ政権が来年1月に登場すれば、閣僚級で迎えられるという推測もある。





しかし気になるのは、では同議員の退任で中国特別委員会の活動はどうなるか、である。簡単にいえば、あまり変わりはないだろう。なぜなら同委員会自体の超党派の中国との対決姿勢は強固だからだ。そのうえに議会全体の中国への不信もきわめて強いのである。





トップ写真:TikTokを禁止する法案が下院で可決された後、連邦議会議事堂の外で会見するマイク・ギャラガー米下院議員(2024年3月13日ワシントンDC)出典:Anna Moneymaker/Getty Images




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