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能登半島地震と目に映らない想い

Japan In-depth / 2024年4月16日 23時0分

ましてや、震災直後の夜など、極寒の中、暗闇の中、スマホもつながらず、もしかしたら薬も見つからないかもしれない。思考停止になり、いつ死んでしまうのだろうかと漠然と考えながら時間が過ぎていくさまが容易に想像できる。患者にしか見えない恐怖である。





申し訳ないけど、ニュースキャスターは皆、見える情報とその時に感じる人間共通の感情だけをわかりやすく伝えているように思える。悲しいけど、私も心筋梗塞になるまでは、心筋梗塞の本当の痛みなどわからなかった。患者に気持ちを寄せることなど出来ないのは当然である。だからこそ、慰めの言葉に留まらず、ありふれた対策に留まらずキャスターを始めとする報道関係の皆さまに、是非とも心疾患の方々に耳を傾けてもらいたいと切に願う。そうすることで、早急に準備することや対策が必ず見えてくるはずだから。





私だったら、つぎのようなことの具現化をお願いしたい。





例えば通信手段… 





災害用伝言ダイヤルに、医療専用のダイヤルを設けてほしい。そうすれば、迅速に心疾患に合った薬が調剤され、ドローンなどで2、3日待てば届くようになるから。スマホでのオンライン診療の普及も同時に実現化してもらいたい。





また、公園などにストレッチや筋トレができる健康器具を設置してもらいたい。心疾患患者のリハビリにも役立つから。特に防災公園のような広い場所には、いたる所にそのような運動器具を設置してもらいたい。





それから退院時、日常生活の注意書きをもらい説明も受けるが、災害時の応急措置や対応も追加してもらえれば、慌てず落ち着いて対処ができるはずだ。できれば、挿絵を添え分かり易くしたもので、コピー用紙ではなく紛失しないよう背表紙のついた冊子が良い。欲を言えば、暗闇でも探せるよう、蛍光塗料が塗られた冊子で、対象年齢を考えれば文字も比較的大きくしたほうが読みやすい。それを医療機関ごとではなく、国が中心となり「心疾患患者バイブル」として統一し、毎年バージョンアップしたものを望みたい。





目に見えないもの





目に見えないものは掴めない。





掴めないものは気にならない。





気にならないものが近くにある。





気にしてもらいたいものが近くにある。





気にしてもらいたいものを感じてくれ。





感じてくれれば気にしてもらえる。





感じてくれれば気になってくる。





目に見えないものに力を与えられる。





*この記事はMERIC by 医療ガバナンス学会Vol.24065 能登半島地震と目に映らない想いの転載です。





トップ写真:石川県輪島市の避難所にいる市民(2024年3月25日)出典:Photo by Getty Images




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