東急プラザ原宿「ハラカド」OPEN シジュウカラや蝶が住む広域渋谷圏
Japan In-depth / 2024年4月17日 7時0分
▲写真 「おもはらの森」(上)と、シジュウカラの様子など(下) 提供:東急不動産
そしてとうとう、東京都市大学の北村准教授の助言のもと、鳥のニーズをくんだ住居(巣箱)まで開発してしまった。木材3種類×間取り3種類で計9種類を制作した。東急プラザ表参道原宿「オモカド」、東京都市大学キャンパス内、東急プラザ原宿「ハラカド」などに設置予定だ。
▲写真 今回開発した巣箱 提供:東急不動産
■ これからの街作りの方向性
これまでの都市開発で、エコロジカルな取り組みは、空調の効率化や、再エネの導入、それにビルの屋上や壁面の緑化などが主流だった。
しかし、昨今は生物多様性がより重要視されるようになってきた。東急不動産は2023年に、国内不動産業として初めて、自然環境の破壊リスクに関する枠組み「自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:以下TNFD)レポート」を公開した。
その中で明らかにしたのは、広域渋谷圏で新規に開発したオフィスビルや商業施設39物件が、完成後に緑地の面積の割合が回復したり、植栽や鳥類の種類が増たりする、いわゆる「ネイチャーポジティブ」に貢献していることだ。
今回の鳥の巣箱のプロジェクトも、生態系に対するポジティブインパクトを増やすことになるだろう。
こうした取り組みはデベロッパーにとってはコストアップ要因にならないのだろうか。そんな疑問がわくが、東急不動産は、「住む」、「過ごす」、「働く」という都市の機能の魅力を高めるためには、むしろ自然の回復が不可欠だと考えているという。街の魅力が高まるということは、不動産の価値も上がるということだ。ただ単に街を再開発する時代は終焉を迎え、新たな次元に入ったということなのだろう。
実際、再開発の軸に緑化を軸に据えているデベロッパーは増えている。
森ビルが開発した麻布台ヒルズでは、約8.1haの区域に約2.4haの緑地を設けた。
▲図 麻布台ヒルズ(イメージ)出典:森ビル
たしかに緑豊かな広場があるのとないのとでは、そのビルから受ける印象は大きく異なる。また訪れたい、と人に思わせる何かが緑にはあると断言できる。
トンボやアゲハチョウなどを都心で見なくなって久しい。今後、加速する都心の再開発とともに、彼らが戻ってくることを願ってやまない。
トップ写真:東急プラザ原宿「ハラカド」ⓒJapan In-depth編集部
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