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関東・甲信越・東北地方に「令和版帝国大学」を 高等教育に東西格差

Japan In-depth / 2024年4月27日 17時0分

▲図3









▲図4





東京大学・京都大学合格者数をまとめると図5のようになる。関東が東大志向、関西が京大志向で、兵庫、鹿児島、富山、岡山などの例外もあるが、それ以外の地域は、東大・京大の合格者数はほぼ比例する。沖縄と東北地方は、いずれも少ない。









▲図5





東北地方には東北大学がある。そこに進学する学生が多いからかもしれない。では、東北大学への進学実績はどうだろうか。福島の東北大学の18歳人口1万人あたりの合格者は83.5人で、全国で6番目に多い。ただ、上位は全て東北地方の県で、東北地方6県では最下位だ(表2)。福島は、東京大学、京都大学、東北大学のいずれにおいても、東北地方でもっとも進学実績が悪い。









▲表2





東北地方の合格者の分布は図6のようになる。東北地方と関東地方からの進学者が多い。









▲図6





ただ、関東地方の人口が多いので、合格者の実数では関東地方が39.8%で、東北地方(33.1%)よりも多い。地元出身者が過半数を占めないのが東北大学の特徴だ。





北海道大学も同じ状況だが、近畿地方出身者が多い(13.0%対4.4%)のが特徴だ。近江商人が松前、淡路島出身の豪商高田屋嘉兵衛が函館を開拓するなど、北前船以来の交流の影響が残っているのだろう。本稿では詳述しないが、北海道大学は北前船の航路であった日本海側からの合格者が多い。





話を東北大学に戻そう。同大学は、東北地方の優秀な高校生が目指す名門大学だ。ところが、関東圏の高等教育機関が不足しているため、関東圏の高校生が進学する。我が国の歴史的な経緯から、関東地方の高校生は甲信越や東北地方には進学するが、西日本への進学の敷居は高い。西日本の高校生は東京大学や北海道大学に進学するのに、逆は少ない。この結果、我が国の高等教育には大きな東西格差が生じる。





図7は人口1万人あたりの旧七帝大合格者数を示す。福島は102人で、全国で七番目に少なく、東北地方で最下位だ。トップの奈良県(465人)、愛知県(309人)、京都府(295人)の22〜35%に過ぎない。









▲図7





この状況が明治以来続いているのだから、地域力に差がつくのも当然だ。このような地域からはノーベル賞受賞者、トヨタ自動車、京セラ、任天堂などの企業が出ているのも、長年にわたる高等教育への投資が貢献しているのだろう。





表3は、旧七帝大の地方別合格者を示したものだ。もっとも多いのは、北海道大学を有する北海道(287人)で、近畿(241人)、中部(215人)と続く。もっとも少ない関東(148人)、東北(152人)とは1.4〜1.9倍の違いだ。









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