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国際情勢からの日本の憲法改正の必要性(上)抑止の否定は日本の滅亡へ

Japan In-depth / 2024年4月30日 20時16分

国際情勢からの日本の憲法改正の必要性(上)抑止の否定は日本の滅亡へ




古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)





「古森義久の内外透視」





【まとめ】





・憲法改正がいまほど強く求められる時機はない。米国からも「普通の同盟国」になることが期待されている。





・草案を書いたGHQ担当者は日本国憲法の狙いを「日本を永遠に非武装にしておくこと」と明言。





・日本の軍事否定傾向は自縄自縛、「国家消滅」の危険をもはらむ。





 





激動の国際情勢のなかで日本の憲法改正がいまほど強く求められる時機はかつてなかった。大統領選で揺れるアメリカ政治での日本への態度をみても、いまこそ日本が憲法、とくにその第9条を改正して、防衛面での「普通の同盟国」になることが期待されているのだ。





どうしてそうした国際状況が生まれたか。なぜ日本の憲法改正が求められるのか。アメリカの首都ワシントンで国際情勢とともに日米関係のうねりを長年、考察してきた立場から説明しよう。





2024年春の世界は危険な争乱に満ちている。ロシアのウクライナ侵略、中東でのイスラエルとハマスの戦争、中国の台湾や日本の尖閣諸島への軍事攻勢、北朝鮮の軍事挑発など、東西冷戦での1991年のソ連の崩壊後では最大の国際危機といえよう。





この危機には二つの大きな特徴がある。





第一は軍事力が実際に行使され、紛争の行方は軍事面での戦闘力や抑止力で決められていくという傾向である。





第二は、それら軍事がらみの衝突の背景には既存の国際秩序を守ろうとする側と打破しようとする側の対決があることだ。





この二つの特徴は激しい荒波としてわが日本にもぶつかってくる。だが軍事力の実効性、そして国際秩序の防衛という二つの重要課題に対してはいまの日本は準備ができていない。なぜならば日本はその特殊な憲法の制約によって、この重要課題への対応をしてこなかったからだ。憲法のとくに第9条によって軍事や防衛に関して自縄自縛のような禁忌を自国に課してきたからである。





憲法第9条は周知のように「戦争」も、「戦力」も、「交戦権」も、否定している。「国際紛争を解決する手段としては」という註釈こそつけているが、普通に読めば、自衛のための戦争や戦力をも禁じているとも受け取れる。この憲法は日本が米軍など連合軍の占領下にあった時代に米軍によって起草された。





私はこの日本憲法を書いたGHQ(連合国軍最高司令部)の実務責任者にその作成の経緯を詳しく聞いたことがある。GHQ民政局次長のチャールズ・ケーディス米陸軍大佐だった。歴史の証人などと気取るつもりはないが、いまの日本で日本国憲法を書いた米側の責任者から直接に内情を聞いた当事者は、きわめて少ないだろう。





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