「シニアの戦力化」の現実 後篇
Japan In-depth / 2024年5月3日 15時1分
シニアの戦力化に関する環境は徐々に整ってきたとしても、この問題の困難性の本質は、当事者であるシニア本人の「意識改革」が難しく、そして現状大変遅れているということに尽きます。大企業では、50代で役職定年になって給与が大きくカットされても、社内に居続ければ雇用は守られるし、多くは年功序列的な状況が残っていることからそれなりに尊重されるからです。
こうしたぬるま湯的な状況の中で、シニアの戦力化の前提となる、シニア自身の意識改革については、大変ハードルは高いのですが、以下の点を認識すれば、「出来るかもしれない」と思っていただけるかもしれません。
ポイントは、
1. シニア全部の意識改革を狙うのではなく、どうやっても動かない層(二八、あるいは2:6:2の「2」)については、意識改革の機会は提供するものの深追いしない。つまり、「出来る層だけが出来れば良い」と考える。
2. 主体的に意識改革をし、自分のキャリア形成に向き合い、その前提として現在の仕事にも向き合う、そうした姿勢は明らかに会社にとってはプラスであると認識し、会社がシニアのキャリア形成に対してキックオフの役割を果たし、機会を手厚く提供する。
の2点が必要不可欠です。
上記に対して各企業は、「キックオフのための(座学での)研修会、HR業者を入れて『キャリアの棚卸し』のための体制を整えている」「定期的な1on1ミーティングで、キャリア形成に関しても話題にするように促している。やるべきことはやっている」と仰る大企業も多いでしょう。しかしながら、そうした施策は、会社として本気でシニアに対して働きかける取組みになっているのか、そして事実として、会社のシニア層に響いていて、意識改革の実績が挙がっているのか、きちんと検証してみる必要がありそうです。
「当社はやれることはやっている」と言うだけでなく、「本当に、シニアの戦力化を可能にするためには今以上に何をすれば良いのだろうか?」と考えていただきたいのです。
□ シニアの戦力化、活性化のための最も大きな課題であるシニア自身の意識改革をどう進めて行くか
それでは、シニアの戦力化、活性化のための最も大きな課題であるシニア自身の意識改革をどう進めて行くための会社からの手厚いキックオフについて下記の表をお示しします。筆者が属する会社が推奨しているプロセスは以下のような研修です。
▲図 筆者作成
この表に沿って、プロセスを説明しましょう。
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