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アメリカへの中国からの不法入国者が激増

Japan In-depth / 2024年5月26日 22時46分

バイデン政権登場以来の3年半の不法入国者は公式統計では合計約800万となる。しかしこの数字は公式の取り締まりの対象となった不法入国者の記録だけであり、取り締まりをくぐって、アメリカ内に入り、行方が不明となった入国者を加えると合計1000万人を越えたことは確実だとされる。





この不法入国者の奔流はアメリカ各地の社会で犯罪の増加や治安の悪化、さらには地元経済への悪影響など多様な問題を引き起こすようになった。このためバイデン政権も2024年に入って、それまでの入国警備の寛容政策を変えて、監視や審査を厳しくする措置をとった。またトランプ政権時代のメキシコの壁の建設も一部、再開できるように条令などを改正した。だがそれでも不法入国者激増という問題はアメリカの社会や国民を動揺させ、大統領選キャンペーンでは共和党側のトランプ陣営がバイデン政権の失態の一つとして正面から非難するようになった。





しかしここにきて、この不法入国者問題に新たな炎が燃え上がる形となった。本来、中米や南米からの国民が圧倒的多数だった密入国者のなかで中国籍の男女が急速に増えてきたのだ。本来、アメリカのメキシコ国境とは縁の遠かった中国からの不法入国者が急増してきたのである。





2024年3月までの半年間に南部国境からアメリカに不法入国して拘束された中国国籍の男女は合計約19万にも達した。この数字は2023全体では約3万7000人だった。23年末から24年にかけての至近の期間に記録破りの激増を示したわけだ。この年間の不法入国中国人の数字は2年前の2021年にはわずか700人ほどだった。だから50倍もの増加なのだ。





アメリカ政府当局もこの中国人の不法入国の急増には特別な注意を向けている。議会でも指摘されるようになった。中国政府がアメリカ国内での軍事関連情報を集めるスパイ工作や、米側の政治や世論に影響を及ぼす政治工作のための要員が最近の不法入国者のなかに潜入しているのではないか、という懸念から警戒が提起されるようになったのだ。





それでなくても、最近はアメリカの政府や議会の中国に対する脅威感が高まるにつれ、正規のルートでの中国からのアメリカへの入国や移住は厳しく制限されるようになっていた。その正規の中国人入国者の数の減少に反比例するように、不法の入国者が急増したのだ。この現象の背後に中国政府の新たな対米戦術がひそんでいたとしても、そうふしぎではない。現にそうした警戒の声はアメリカ議会では聞かれるようになったのである。





トップ写真:国境で米国税関・国境警備隊に拘束された中国人移民ら(2023年11月12日、カリフォルニア州ジャクンバ)出典:Nick Ut/Getty Images




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