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前代未聞の詐欺事件を追ったドキュメンタリー「ハリウッド・コン・クイーン」

Japan In-depth / 2024年5月31日 21時9分

▲写真 被害者のひとりウィル・ストラスマン(映画製作者) 画像提供:Apple TV+ 





■ 加害者が求めていたものとは





本ドキュメンタリーは、この一連の事件を初めて取り上げた米ハリウッド・リポーターのスコット・C・ジョンソン記者による『The Con Queen of Hollywood:The Hunt for an Evil Genius』という著書が元になって構成されており、ジョンソン記者自らが加害者に接触し、その素顔を暴いていく様子も映されている。









▲写真 米ハリウッド・リポーターのスコット・C・ジョンソン記者 画像提供:Apple TV+ 





加害者はジョンソン記者の精神をも破壊しようと働きかけてくる。日に何度も連絡をよこし、会話の主導権を握って質問の答えを先延ばしにする。目を見開いて罵倒したり、自分に陶酔して饒舌になったり、自分は被害者だと涙を流したりする。その姿は、舞台上の俳優さながら。犯罪を暴かれ反省するどころか、自分のことを心置きなく語る場が与えられたこと、注目されることを喜んでいるのは明白であり、とても生き生きしているのだ。





筆者が最も恐ろしいと感じたのは、加害者が、人の心を支配できると確信したときに眼に宿る光だった。相手に罪悪感を持たせたり、判断力を鈍らせたりできるチャンスが到来したと感じた瞬間に語り口調が代わり、自分がいかに可哀想かを語る。だが、目だけは喜びで爛々と輝いているのだ。こういった人をサイコパスと呼ぶのか、と背筋が凍る思いがした。





このドキュメンタリーで語られることは、映画さながらで非現実的だと感じられるかもしれない。だが、テクノロジーの発展とSNSの普及により、才能を開花させるチャンスが増え、それを世界に発信できる環境が整っている今、このような詐欺は多くの人にとって身近になってきているのではないだろうか。





日本でも、SNSに作品を載せている学生が編集者を語る人物から突然連絡をもらったケースを耳にしたことがある。ライターをしている筆者のもとにも、SNS経由で面識のない人から仕事のオファーがくる。決して対岸の火事ではないのだ。





注意喚起という意味でも『ハリウッド・コン・クイーン』をみて欲しい。









▲写真 米ハリウッド・リポーターのスコット・C・ジョンソン記者 画像提供:Apple TV+ 






https://youtu.be/bNAuBUSmNLw?si=QlcOKRJQjP16emHA




▲動画 YouTubeより Apple TV+「ハリウッド・コン・クイーン ~前代未聞の詐欺事件~」 





Apple TV+にて好評配信中! 





トップ図:Apple TV+「ハリウッド・コン・クイーン ~前代未聞の詐欺事件~」画像提供:Apple TV+ 




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