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金正恩を逆上させたのは母親の出自暴露ビラ?

Japan In-depth / 2024年6月8日 13時6分

金正恩を逆上させたのは母親の出自暴露ビラ?




朴斗鎮(コリア国際研究所所長)





【まとめ】





・北朝鮮の「ゴミ・汚物ビラ」、韓国に「9・18軍事合意」全面停止の名分与える。





・金正恩は、韓国が飛ばした風船のビラが母親高ヨンヒの出自暴露に激怒。





・北朝鮮の国民の間には、金正恩の血統に疑問の声が出始めた。





 





韓国民間団体の風船ビラに激怒して、5月28日から6月2日にかけて、金正恩総書記が1000個あまりの「ゴミ・汚物ビラ」を韓国全土に飛ばし、2018年9月に文在寅政権と結んだ「9・18軍事合意」全面停止の名分を韓国に与えた。





■ やぶ蛇となった金正恩の「ゴミ・汚物ビラ作戦」





この尹錫悦大統領の裁可を受け、韓国軍当局は4日、陸上・海上・空中緩衝区域(敵対行為禁止区域)での砲射撃など軍事訓練を全面的に復元する手続きに着手した。軍事境界線(MDL)から5キロ以内の陸軍の砲兵射撃訓練と西海(ソヘ、黄海)北方境界線(NLL)一帯の西北島嶼海岸砲射撃訓練が早ければ今月中に再開される見通しだ。





この決定の翌日である6月5日には、早くも米戦略爆撃機B―1Bが飛来し、韓国空軍のF-35A、F-15K、KF-16戦闘機と米軍のF-35Bなどと連合空中訓練を行った。B―1Bは7年ぶりに精密誘導弾JDAMの発射訓練を実施した。また韓国海兵隊は今月中に海上射撃訓練の再開を決めた。





「ゴミ・汚物ビラ作戦」は韓米から新たな軍事圧力を受ける墓穴まで掘ることになった形だが、この後(あと)先も考えずに行った「作戦」は、北朝鮮住民からも不評を買っている。





咸鏡北道のある住民消息筋(身辺安全のため匿名要請)は6月4日、「ここ(北朝鮮)で汚物風船を送ったニュースが拡散している」とし「大部分の人が、汚物風船散布は国家次元で犯した恥ずかしい行為だと非難している」と自由アジア放送に伝えた。





先代の「統一路線放棄」で、一部北朝鮮住民と幹部から「疑問」を持たれている金正恩だが、今回の破廉恥な「ゴミ・汚物ビラ作戦」で、その精神構造まで疑われ始めているのだ。





内外のひんしゅくを買っただけでなく、韓国の「拡声器放送再開」の口実まで与えてしまった金正恩は、その深刻さに気がついたのか、6月2日に急遽「暫定的に中断する」と発表した。しかしこの「作戦」での権威の失墜はこれまでにない打撃となったようだ。





■ 金正恩、母親「高ヨンヒ」の出自暴露ビラで逆上?





では、金正恩が逆上し、後先も考えずに墓穴を掘った主な要因はどこにあったのだろうか?それは、韓国の脱北者団体が飛ばした北朝鮮向け風船の中に、金正恩打倒のビラとともに母親高ヨンヒが在日同胞出身の踊り子だったことを暴露したビラが含まれていたことと関係していると思われる。





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