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女性大統領誕生も、容易でない男女平等の実現-“マッチョ”の国メキシコ

Japan In-depth / 2024年6月29日 11時0分

現在、連邦議会の上院、下院ともに議長は女性である。また2014年、「政治参画監視機構」が設置されており、中央政界だけでなく地方レベルでも女性の政治参画を推進するシステムができている。前述の専門家は「女性の政治参画という面ではメキシコは先進国だ」と指摘する。





■ 独自の女性政策貫けるか-シェインバウム氏





だが、女性の政治進出が必ずしも一般社会での男女平等や女性の地位向上にはつながっていない面があるのも、メキシコだ。国連人権理事会のある専門家は「女性に対する暴力に関してはメキシコは中南米で最悪の国の一つ」と指摘する。同専門家によれば、メキシコでは女性であることを理由にした殺人、いわゆる「フェミサイド」事件が相変わらず頻発しているという。毎日、10人の女性が夫あるいは家族のメンバーによって殺害されているとの報道もある。





メキシコの国勢調査を行う「国立統計地理情報院」(INEGI)が以前公表したところによれば、同国女性の70%が肉体的、心理的、性的暴力を体験しているとされる。こうした背景としてメキシコは男性優位の価値観や文化が根強く、一般社会や家内でジェンダー平等や女性の権利がないがしろにされていることを指摘する専門家も多い。





シェインバウム氏はLGBTの権利擁護とともに「フェミサイド」を専門に取り締まる部署を創設することも公約に掲げている。ただ、同氏が師と仰ぐロペスオブラドール大統領については「フェミサイド」を軽視しているとの声が専ら。シェインバウム氏が現大統領の路線を忠実に引き継ぐと公言していることもあり、女性問題で本当に独自の考えや政策を貫けるのか、疑問視する声も聞かれる。





(了)





トップ写真:インターコンチネンタルホテルでクラウディア・シェインバウム次期大統領がインターコンチネンタルホテルを見学する様子(メキシコシティ 2024年6月19日)出典:Photo by Mónica Loza/ObturadorMX/Getty Images




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