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【都知事選、本当の争点】⑧ 石丸さん、政治改革を進める本気で既得権を破壊できるか?

Japan In-depth / 2024年7月5日 15時11分

「恥を知れ、政治家」「政治屋の一掃」といった過激な発言はあるものの、特定の立場や利害を守る人たちに対しての明確な挑戦状、既得権益からの反発や反感に対しても全都民のために戦うという宣戦布告である


また、利害関係者だけが関与し、利益を配分、それ以外が興味をなくし、さらり利害関係者は甘い蜜を吸う・・・そういった政治不信の負のサイクル、ジャックされた政治を改革しようとする政治システム改革宣言でもあると筆者は考えている。「ブラックボックス」を掲げた8年前の小池さんの手法よりも本気度がある。


地方自治で本気で改革をすると、強い抵抗を受ける。筆者も経験したが、過去を否定しかねないため施策や事務事業を続けたい職員、改革改善するのが利害調整が面倒くさかったり上司の反発でひよってしまう意識の高い職員、事務事業評価を本音で数字に基づいてやらない幹部層、補助金を廃止されると困る利害関係者と政治家、施設統廃合に反対するなど「地域エゴ」ともいえるようなことを言ってきたり、補助金削減に反発する住民等々。


そのためには石丸さんのような強力な旗を掲げなくてはなしえることはできない。田んぼアート、婚活事業、観光協会、イベントなどの事業を廃止してきた石丸さん。中でも「2034年度には公共施設を37%削減できる見込み。」というところまでいった公共施設改革が秀逸だ。その困難さは物凄いものがある。


そして、市民にはこう言っている。


「未来への投資は、子ども、教育における投資です。限りある財政ではありますが、最大限、教育分野に的を絞ることが、本市にとって最も希望がもてる方策だと考えています。」と。優先順位を明確にして成し遂げた。優先順位の明確さとその住民を味方につけるコミュニケーション戦略で、それなりの事務事業の見直しは可能であるのではないだろうか。


■ 東京一極集中問題解決はこれでいいの?


経済政策は産業の創出、コンテンツ産業で「東京からコンテンツを生み出すことは難しいため、国内外からコンテンツを生み出し、育む環境を整えることで、人材や資金の流入を促進していきます。」とのことだ。


教育については、「教職員の働き方改革が進むよう学校環境を改善し、民間のサービスを導入して学校教育を充実させます」ということらしい。生徒会に100万円を渡しますなども新たに掲げている。


一極集中については、過密をどう解消するかを「多摩格差の是正」「46道府県との協調・協働を推進」との政策に置いている。筆者が長年言ってきた「東京一極集中問題の解決」の方向性としては悪くはないしかし、東京都としてどういう提案をしていくのかとしては不十分である。本来なら、都市再開発の規制強化を明確にいうべきだろう。また、企業本社や政府機関の地方移転も必要だろう。東京への集中はますます進んでしまう中、歯止めをかけるのはそれしかないからだ。


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