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トランプ氏暗殺未遂、大統領選の「ゲームチェンジャー」に

Japan In-depth / 2024年7月16日 21時0分

トランプ氏暗殺未遂、大統領選の「ゲームチェンジャー」に




宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)





宮家邦彦の外交・安保カレンダー 2024#29





2024年7月15-21日





【まとめ】





・共和党大統領候補のトランプ氏がペンシルベニア州バトラーという小さな町で演説中に20歳の若者に狙撃され負傷した。





・「この優良な小さい町」で狙撃事件が起きたのは、ある意味で象徴的だ。





・トランプ氏がJDヴァンス・オハイオ州選出上院議員を副大統領候補に決めた。





 





今週ばかりはアメリカ国内政治の恐ろしさ、ダイナミックさを痛感させられた。共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏がペンシルベニア州バトラーという小さな町で演説中に20歳の若者に狙撃され負傷したのだ。この大事件については今週の「デュポンサークル便り」が詳しいので、詳細についてはこちらをご一読願いたい。





我が書斎兼寝室ではCNN-USを24時間つけっぱなしにしている。この日も、ふと明け方に目が覚めたら、何とこの暗殺未遂事件の映像が生放送で飛び込んできた。





初めは夢かと思うほど衝撃的だったが、流石の筆者もトランプ氏の無事を心から祈ると同時に、この事件は今年の大統領選の「ゲームチェンジャー」になると確信した。





今回の暗殺未遂事件の舞台となったバトラーという町を訪れた日本人は少ないだろう。バトラーはペンシルベニア州の人口1万3502人の小都市、ピッツバーグの北56キロメートルにあり、雑誌「スミソニアン」で「アメリカの優良な小さい町」の第7位に挙げられたとGoogleMapには説明があった。勿論、筆者も行ったことはない。





だが、「この優良な小さい町」で狙撃事件が起きたのは、ある意味で象徴的だ。事件の捜査は始まったばかり。ここで育った白人の若者が、この町を含む多くの東部・中西部の、以前は繁栄を謳歌した米国の工業地帯の凋落に直面し、何を思ったかは知る由もない。彼がトランプ支持者なのか、反対者なのかも現時点では不明だ。





分からない以上、推測でモノを書くべきではないが、こうした「名もなき町」の「名もなき市民」たちが「トランプ現象」を支えている可能性は高い。今年、我々は一体何を見落とすのだろうか。マスメディアが報じる米国政治関連情報は、何かがどこか、欠けているのではないか。こんなことを事件後、この数日間、毎日考えている。





続いては米国政治のダイナミズムについて。この原稿を書き始める直前、これも日本時間では未明の出来事だったが、トランプ氏がJDヴァンス・オハイオ州選出上院議員を副大統領候補に決めたというニュースがCNNで飛び込んできた。ヴァンス議員の略歴はもう出来ている。実は近く「トランプ」本を出版するからなのだが・・・・。





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