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日中関係の再考 その2 中国の敵対的な言動

Japan In-depth / 2024年8月2日 17時0分

第5は、中国人の集団が今年5月、靖国神社の石柱に落書きをした事件である。





東京地検は靖国神社の神社名を刻んだ石柱に赤いスプレーで「Toilet(便所)」と大書した中国籍の29歳の男を起訴した。この男は他の2人の中国人とともに、落書きをして、器物損壊と礼拝所不敬の罪状で摘発された。靖国神社への意図的な侮辱だった。他の2人の容疑者はすでに中国に帰国していた。中国一般が政府の政治教育により日本の靖国神社を敵視するという背景が改めて注視された。





以上の5つの具体的な実例は中国側の官民での日本への敵意を示すといえよう。第1の事例は領土侵害、第2の例は経済威迫、第3は軍事恫喝、第4は日本企業抑圧、第5は日本の戦没者の冒涜と、総括することができる。





これらの具体例をみると、中国の政府も人民も日本に対しては多層な悪意や敵意を抱き、その背後には日本という国家への威圧や侵害の意図を有する、という構図が浮かんでくる。中国政府が日本政府との間で合意するとする「戦略的互恵関係」という響きのよい標語とはあまりにかけ離れた現実だといえる。





当然ながら日本側は中国に対して同じような行動や措置はまったくとっていない。中国の固有の領土に不当に侵入することはない。中国からの産物を一方的に輸入禁止にするような措置もとっていない。まして軍事的な恫喝などあるはずがない。さらに日本国内にいる中国企業の駐在員を容疑を公表せずに逮捕など決してしない。また日本国民が中国領内の国民的追悼を表す施設に侮蔑的な落書きをするはずがない。





要するにいまの日本と中国との間で起きてきたトラブルの類はみな中国側からの言動なのである。その結果、日本の国民の間での中国に対する認識や感情は当然ながら悪化の一途をたどる。「日本側はなにも敵対的な言動をとっていないのに、一体なぜ?」という疑問でもある。だから最近の日本側の世論調査では中国への警戒や不信を感じるという人が圧倒的な多数となっている。





だが日本政府、そして自民党は国民レベルでのそうした現実を無視するかのように、あたかも上記の中国側の日本への敵対的言動がないかのように、中国側にすり寄るような姿勢を見せ始めたのである。この動きは一体、なぜなのだろう。





(その3につづく。その1)





トップ写真:中国・青島で開催された西太平洋海軍シンポジウムのオープニングで、中国空母を映したPLA海軍のビデオを見る参加国の海軍将校たち(2024年4月22日)出典:Photo by Kevin Frayer/Getty Images




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