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37年ぶりに日本の大臣がやってきたバヌアツ

Japan In-depth / 2024年8月15日 23時0分

また海洋分野では、「豊かな前浜プロジェクト」として、絶滅の危機に瀕していた夜光貝、高瀬貝、オオシャコ貝の増養殖や、観光客向けのサンゴ養殖体験施設の建設、人材教育などを通じて、バヌアツの豊かな海洋環境を守りながら、現地の生活向上を目指した取り組みも支援しています。









▲写真 豊かな前浜プロジェクトが行われているマンガリリウ村を訪問する伊藤環境相(筆者提供)





伊藤大臣との会談後、レゲンバヌ大臣にお話を伺ったところ、「日本が自然災害や環境分野でこれほど貢献していることを、伊藤大臣に直接見ていただきたかったのです。今回の訪問は、バヌアツの現状を知っていただき、日本の支援がどれほどバヌアツの人々の生活を安全にしているかを理解してもらう良い機会となりました。また、今後の日本とバヌアツの国際的な合意をお願いする場にもなりました」と語ってくれました。





さらに、新たなプロジェクトについて尋ねたところ、「ブルーカーボンやグリーンカーボンを含めた二国間クレジットの導入を日本に強く望んでいます。現在、どの企業や産業がバヌアツと協力できるかを特定しているところです」との回答があり、二国間クレジットが前向きに検討されていることが伺えました。





バヌアツの海には、世界的に絶滅が危惧されているジュゴンが生息しており、そのエサとなるアマモも豊富に繁殖しています。ブルーカーボンは、バヌアツにとって重要な資源であり、この分野での二国間クレジットが実現すれば、日本にはバヌアツの海を守る責任が生じます。









▲写真 サンゴの養殖体験をする伊藤環境相(筆者提供)





ただ、バヌアツに住む日本人として心苦しいのは、福島原発処理水の海洋放出問題です。PALM10でも日本側は安全性に問題はないと説明しましたが、バヌアツ国内でも多少の懸念があることは事実です。残念ながら、今回の大臣会談でこの問題が話題に上ったかどうかは確認できませんでした。





何はともあれ、伊藤大臣もバヌアツの人々の優しさやコミュニティの強さに感銘を受け、訪問を楽しまれている様子でした。今後、バヌアツと日本の絆がさらに深まることを期待しています。





トップ写真:バヌアツのレゲンバヌ環境大臣と伊藤信太郎環境大臣(筆者提供)




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