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仏新内閣発足 移民問題が最大の課題

Japan In-depth / 2024年9月24日 21時0分

内相以外にも、移民関連に知識が深い人物がメンバーに加わっている。海外領土担当大臣には、フランソワ=ノエル・ビュフェ氏が任命された。ビュフェ氏は2006年以来、上院を通過する移民と亡命に関するすべての文書に携わり、2023年には上院法務委員長に就任し移民法強化に貢献した人物だ。海外領土では、特にニューカレドニアの緊迫した政治情勢を管理しなければならない。また、貧困と不法移民が特徴的なインド洋の諸島マヨット島、および特にインフレで9月初旬から深刻な危機に見舞われているマルティニーク島をはじめとするアンティル諸島の問題に対応していくこととなる。


 


■ 移民問題に揺れるヨーロッパ


移民・難民問題を年頭においた背景には、やはり、移民流入の歯止めがかからないことが原因で、国民からの不安の声も多くあがってきていることがある。 先日、ドイツは国境警備を強化させることになったが、 不法滞在だった難民申請のためにドイツにやって来たシリア人により、3人が犠牲になった事件もあり、こういった状況を受けフランスでも国境警備に賛成の声が高い。


しかし、EU内では意見がわかれ、 移民流入の対応は順調とも言えない。フランスのジェラルド・ダルマナン前内相とともに、ドイツのナンシー・フェイザー内相は、「ダブリン規則が一部の加盟国ではほとんど、あるいはまったく適用されていない」と不満に思っている。


ダブリン規則は、国際的保護の申請を審査する責任のある国を決める基準を定めたものであり、主に欧州連合(EU)加盟国間における庇護審査の責任分担協力に関する規則だ。この規則によれば、最初に審査した国が、難民として認めてEU国内の受け入れ国に送るか、難民として認められない場合は送還するなどの対応をすることになっており、対応に応じてEUから補助金もおりることになっている。


しかし、審査申請がすでに終わっているのに、また違う国で審査を受けにきたりと、きめられたプロセスが正確に機能していない場合が多い。そのため再審査という手間も増え迅速な対応の足かせにもなっているだけではなく、すでに審査申請が行われている場合はその審査した国に送り返すのだが、受け入れを拒否されることも多い状況だ。


また、フランスおよびドイツは、イギリスのEU離脱はEU内の「移民政策の一貫性」に深刻な影響を与えているとも述べている。イギリスの移民の対応について対処が明確ではないため、闇ルートで入国を目指す密航ネットワークが特に活発に活動しており、その結果、英仏海峡や北海を無謀に渡らせることで人々を危険にさらしている。ヨーロッパを横断して、イギリスに向かうルートは、不法入国の「ほぼ3分の1」を占めている。その結果、今月初めには、少なくとも12人の移民がイギリスの海岸に到達しようとしてフランス沖で命を落とした。そこで、フランスとドイツは土曜日、欧州委員会に共同書簡を送り、EUに英国との移民協定交渉を通じて不法移民に対する取り組みを強化することなどを要請した。


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