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なにを今さらキングメーカー(上) 本当に「政治の季節」なのか その1

Japan In-depth / 2024年9月26日 10時50分

以下、肩書きについては煩雑を避けるため「……候補」で統一させていただく。





 こちらもご案内の通り、自民党総裁は国会議員票と一般党員票を併せての選挙で選ばれるが、国会議員票では小泉候補が優勢で高市候補が追う展開。一般党員票では石破候補が有利で、やはり高市候補が追い上げているということのようだ。





 これだから自民党は……と言いたくなるのは、私だけであろうか。





 まず、小泉候補が国会議員票の多くを集めそうだと言われるのは、菅義偉・元首相の後ろ盾があるからだと、衆目が一致している。





 高市候補の他に、女性として初めての総理・総裁を目指すとして、上川陽子・外務大臣と野田聖子・衆議院議員が立候補の意思を示していた。しかし野田議員については、立候補の要件であるところの、推薦人20人を集めるのが困難だという事情もあり、菅元首相が「小泉支持」に回るよう、強く働きかけたのだとか。これは推測の域を出ないことだと明記しておくが、野田議員に対して、





「小泉政権誕生の暁には……」





というような話を持ちかけ、一方では小泉候補に貸しを作った、という構図ではあるまいか。





 このように、首相経験者など党の重鎮が「キングメーカー」として振る舞うのは、自民党総裁選の伝統的な構造ではあるのだが、21世紀になってもまだそんなことをやっているのか、としらけた気分になってしまうのは、やはり私だけであろうか。





 小泉候補の父親は、言わずと知れた小泉純一郎・元首相だが、彼は、





「私が自民党をぶっ壊します」





と言って総裁選に立候補した。





 かつて「議席も持たないキングメーカー」として悪名をとどろかせた田中角栄・元首相の娘(田中真紀子・元衆議院議員)が推薦していたとは言え、党内的には、変わったことを言い張るだけの泡沫候補と見なされていたきらいさえあった。





 変わったこととは、これまた言わずと知れた「郵政民営化」だが、まさに21世紀の幕が開けた2001年、自民党支持層はまったく新しいリーダーに政府与党の舵取りを託すことを選択した。





 息子の小泉候補も、ちょっと真意を捉えにくいコメントを連発して、しばしば「小泉構文」などと揶揄されるが、変わったことを言う人と変なことを言う人とでは、自民党支持層から向けられる目も、自ずと違って来るのは当然だろう。





 ならばどうして菅元首相が「小泉推し」なのかと言うと、これもメディアや消息筋の見るところによれば、パーティー券の売上げを環流した、いわゆる裏金問題などで地に落ちた自民党の人気を盛り返すためには、若くてハンサムな「選挙の顔」がどうしても必要だ、ということのようだ。くどいようだが今は21世紀なのに。





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