石破新総裁の変節 党内圧力で早期解散に急展開
Japan In-depth / 2024年10月1日 0時34分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・石破茂自民党新総裁、首班指名を受ける前に解散総選挙を最短の10月27日と表明。
・組閣メンバーも新味なく、持論の経済政策により相場は急落。
・党内分裂も顕在化、総選挙を急いでも結果は楽観できず。
耳を疑った。
解散総選挙が10月27日だという。
9月30日、新たに自民党総裁に選ばれた石破茂氏が会見で表明した。まだ首班指名を受けていないにもかかわらず、だ。総理大臣でもないのに解散に言及するとは、前代未聞である。
しかも、総裁選では、できるだけ早期の解散を叫んだ小泉進次郎候補に対し、終始慎重論を唱えていたのは当の石破氏だったではないか。この変節ぶりはどうだ?野党でなくても腰を抜かす。
仇敵、麻生太郎前副総理に最高顧問なるポジションを用意したものの、30日の党幹部の集合写真の撮影はあっさり袖にされた。麻生氏との溝が修復不可能なものになったのは誰の目にも明らかだった。これで党の分裂は決定的になり、今後、反石破勢力の動きは活発化するだろう。
組閣メンバーも新味がないばかりか、女性も若手もほぼ皆無。何のサプライズもない。いつまでも持論の経済政策を修正しないものだから、株価はだだ下がりだ。人呼んで「石破ショック」。一般投資家はたまったものではない。予想されたこととはいえ、あまりの無策ぶりにあきれるしかない。このままでは経済オンチの名が定着するだろう。岸田総理の「増税メガネ」からなにも学んでいないのか?
話を戻して解散総選挙だが、内閣支持率がご祝儀相場の間にさっさと総選挙をやろう、という党内圧力に負けての今日の表明になったのだとしたら、己がなく、人の意見に左右されやすい石破氏のキャラクターが浮き彫りになってくる。党内では「与しやすし」、との見方が定着したに違いない。
金融所得課税や、法人税・所得税の引き上げなど、景気の足を引っ張る政策は一日も早く撤回し、市場の安定化をはかるべきだ。
総裁に選出されてからわずか3日ではやくもメッキがはげ始めるとは驚きだ。これでは、いくら総選挙を急いでも、結果はたかがしれているだろう。
トップ写真:石破茂自民党総裁(2024年9月27日東京千代田区)出典:Kim Kyung-Hoon - Pool/Getty Images
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