石破茂新総理の安全保障論 米困惑
Japan In-depth / 2024年10月1日 17時55分
もう一つ気になることがある。昨日、米国の別の旧友からメールが届いた。総裁選中に石破候補が米保守系シンクタンクに小論を寄稿し、日米安全保障条約と地位協定の改定やアジア版NATO構想を提唱したが、これを「一体どう理解したら良いのか、率直な意見を聞かせて欲しい」と言う。これは「よくよくのこと」だと筆者は思う。
案の定、昨日から同寄稿の冒頭には、この文章は「Mr. Ishiba’s personal opinion as a member of Diet and does not necessarily reflect his view as the next prime minister.”」「石破氏の議員としての個人的意見であり、必ずしも次期首相としての見解を反映していない」との注釈が追加された。これって、実に興味深いではないか。
続いては、いつもの通り、欧米から見た今週の世界の動きを見ていこう。ここでは海外の各種ニュースレターが取り上げる外交内政イベントの中から興味深いものを筆者が勝手に選んでご紹介している。欧米の外交専門家たちの今週の関心イベントは次の通りだ。
10月1日 火曜日 米印外相会談(ワシントン)
石破茂内閣誕生
メキシコ新大統領就任
前オランダ首相、NATO事務総長に就任
ジャンムカシミールで議会選挙(第三期)
10月2日 水曜日 欧州委員会委員長、ジョージア大統領と英首相と個別に会談
欧州安全保障協力機構(OSCE)、ダブリンでOSCE議員会議開催
10月3日 木曜日 G7内務大臣会合(イタリア)
10月6日 日曜日 チュニジア大統領選挙
カザフスタン、原子力発電所建設の是非に関する国民投票
ボスニアヘルツェゴビナで地方選挙
ブラジルで地方選挙
最後はいつものガザ・中東情勢だが、南レバノンのヒズブッラに対するイスラエルの軍事攻勢は遂に地上戦の段階に入りつつある。筆者の見立ては次の通りだ。
いつも書くことだが、ネタニヤフ首相は少なくとも11月5日まで政策変更する気などさらさらなく、南レバノンでの作戦は今後も長く続くだろう。
一方、ヒズブッラの本音はイスラエルとの全面戦争回避だろうが、恐らくイスラエル側はそれを許さないような形で、ヒズブッラを挑発し、戦闘を続けるだろう。
米国主導による「停戦案」は風前の灯火だろうが、バイデン・ハリス政権としても大統領選まで努力を続けている「ふり」をせざるを得ない。
何とも代わり映えのしない話になったので、今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは今週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
-
- 1
- 2
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
監視社会の闇で深まる悲劇:中国で相次ぐ無差別殺傷事件
Japan In-depth / 2024年11月20日 23時0分
-
第2次石破政権「苦難の船出」…少数与党で国会運営の雲行き怪しく、外交不安も 有馬氏「党勢の低迷が続けば、求心力はますます低下」
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月11日 11時34分
-
高市早苗氏でも、小泉進次郎氏でもない…「余命は長くて6カ月」石破政権の次を狙う"自民党のキーマン"
プレジデントオンライン / 2024年11月7日 9時15分
-
旧安倍派を敵に回して、国民民主・玉木氏にすがりつく…石破政権がわずか1カ月で「泥舟」になった理由
プレジデントオンライン / 2024年11月1日 17時15分
-
衆院選敗北、石破政権の「弱体化」が日本経済にとって望ましい理由
ニューズウィーク日本版 / 2024年10月29日 17時0分
ランキング
-
1斎藤氏再選で「兵庫県民を批判」する人の"盲点" 「疑惑」に乗っかった稲村氏の戦略もまずかった
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 8時40分
-
2百合子さま葬儀に3億2500万円=国費から支出
時事通信 / 2024年11月22日 10時22分
-
3東大駒場キャンパスに侵入し学生のPC盗んだ疑い、無職の男を逮捕
読売新聞 / 2024年11月22日 13時13分
-
4今週7か月ぶりに再開したばかりも…また掘削停止、岩盤発見 北海道新幹線「羊蹄トンネル」
STVニュース北海道 / 2024年11月22日 14時30分
-
5新潟市南区妻子殺害事件 被告の男に無期懲役の判決 新潟地裁
BSN新潟放送 / 2024年11月22日 15時2分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください