カマラ・ハリス候補はカメレオン政治家か その2 出自政治の典型人物
Japan In-depth / 2024年10月2日 17時0分
ハリス副大統領の実務面での欠陥は就任当初の1年でも次々と露呈された。バイデン政権にとっての国内面での最大課題だった不法入国者の奔流のような増加に対してハリス副大統領は2021年3月、バイデン政権の最高責任者に任命された。だが肝心のメキシコ国境地帯にまったく足を運ばなかった。100日以上がそのまま過ぎた。
首都からわずか数時間で行ける国境地帯になぜ出かけないのかとNBCテレビの記者の質問に対してハリス氏は「私はいろいろな国境に行っている」とか「私はヨーロッパにもしばらく行っていない」という答えにならない答えをして、メディアをも驚かせた。さらに追及されると、ハリス氏は定番となった「あっはっは!」という高笑いを発した。その後に怒りの色をみせ、質疑を打ち切った。
ちなみにハリス氏の、びっくりするほどの大声での高笑いはあまりに頻繁なので評判となった。その笑いがいちどきになんと2分間も続いたことがある、共和党側は「都合が悪いときは笑いでごまかす」と批判する。
とにかくアメリカへの不法入国者の数は激増に激増を重ね、この3年半に1000万人を越えた、不法入国者による強盗やレイプという犯罪も顕著となった。その対策の最高責任者としてのハリス氏への批判が高まったわけだ。
ハリス副大統領の不人気は就任から1年の間に決定的となった。2021年、ハリス氏はバイデン政権が総力をあげた議会での一連の大型支出法案の推進にも精力を向けないと指摘された。11月の一連の州知事選ではバージニア州での民主党候補の手痛い敗北にもかかわらず「民主党は大勝利した」と総括して、不興をかった。
ハリス氏の補佐官たちの退職や辞職も異様なほど頻繁だった。首席補佐官に続いて、広報部長ら二人が辞任した。明らかに人事管理の欠陥だった。ハリス氏はフランス訪問では流暢ではないフランス語のアクセントをあえて真似して、冷笑されたというエピソードも人気の低落を増すこととなった。
写真)支持者と写真を撮るカラマ・ハリス副大統領 2024年9月29日 ネバダ州ラスベガス
出典)Mario Tama/Getty Images
(その3につづく。その1)
*この記事は雑誌「月刊 正論」2024年10月号に掲載された古森義久氏の論文を一部、書き直して転載しました。
-
- 1
- 2
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
トランプ前大統領の圧勝とその教示
Japan In-depth / 2024年11月7日 23時21分
-
「青かった街が赤に」激戦州"トランプ化"のリアル 盛り上がっていたハリス陣営は次第に意気消沈
東洋経済オンライン / 2024年11月7日 0時0分
-
分断と失望の大統領選に立ち向かうニューヨーカー
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月6日 18時20分
-
【アメリカ大統領選】カマラ・ハリス氏の同級生や"ゆかりの店"を取材!政治家としてのルーツを探る ハリス氏は『他者の異なる価値観を認め、受け入れることを大事にしていた』
MBSニュース / 2024年11月4日 17時23分
-
米CNN、ハリス氏の対話集会を激戦州ペンシルベニアで開催(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月25日 10時45分
ランキング
-
1斎藤氏再選で「兵庫県民を批判」する人の"盲点" 「疑惑」に乗っかった稲村氏の戦略もまずかった
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 8時40分
-
2百合子さま葬儀に3億2500万円=国費から支出
時事通信 / 2024年11月22日 10時22分
-
3「うるさいから帰れ」と言われ逆上 元交際相手が寝ている布団に包丁突き刺す 55歳無職の女を逮捕 札幌市
北海道放送 / 2024年11月22日 8時42分
-
4東大駒場キャンパスに侵入し学生のPC盗んだ疑い、無職の男を逮捕
読売新聞 / 2024年11月22日 13時13分
-
5トヨタ車体いなべ工場に向かうマイクロバスが川に転落 11人けが 運転の58歳男性が腰骨折の重傷 「3メートルほど下に…」三重・桑名市
CBCテレビ / 2024年11月22日 12時29分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください