アメリカ新政権の中国政策はどうなるか その3トランプ陣営は対中軍事抑止
Japan In-depth / 2024年10月21日 11時28分
だからたとえハリス政権が誕生して、国防費を増やさないという選択をしても、議会から圧倒的な反対の声が起きるでしょう。その結果、かなりの軍事力増強という結果になるでしょう。議会でのこうした強固な反中姿勢の背景にはアメリカ国民一般の中国への強い反発があります。
アメリカ国民の多数はまず2019年末からの新型コロナウイルス大感染で中国への激しい反感を抱くようになりました。中国政府が武漢で発生したコロナウイルスを50日ほども秘密にして、その結果、国際的な大感染を招いて、アメリカが最大の被害を受けた、という認識からです。その他の中国政府の多様なチャレンジにアメリカ国民は中国への嫌悪や怒りを強めていった。その結果がまず連邦議会に反映された。こんな経緯があるのです」
古森:
「さてトランプ氏が大統領に再選された場合ですが、その対中政策はトランプ前政権時代と基本は同じだと考えてよいだろうと思います。中国をアメリカにとって、国際秩序にとって、最大の挑戦者だとみる。脅威だとみる。この点はバイデン政権、ハリス政権と同様でしょう。だがその対処となると、大きな違いがあるといえます。トランプ陣営は中国との決定的な対決を恐れておらす、対中戦争は望まないとはいえ、軍事面を含め、断固として抑止策をとっていく、ということでしょう。
トランプ氏は経済面でのアメリカに輸入される中国製品にはすでにかけた関税を引き上げ、60%にまでするという案を語っています。世界貿易機関(WTO)から中国を追い出すに等しい最恵国待遇の取り消しまで口にしている。だからアメリカ経済を中国から引き離すディカップリングもその通りの言葉を使って、長期の政策目標だとしています。
(その4につづく。その1,その2)
*この記事は月刊誌HANADA2024年11月号に掲載された古森義久氏の論文の転載です。
トップ写真) 北京での歓迎式典に出席した習近平国家主席とドナルド・トランプ前大統領:中国、北京 - 2017年11月9日
出典)Photo by Thomas Peter-Pool/Getty Images
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