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自民党は阪神のように負けるだろう  「政治の季節」の隙間風 その1

Japan In-depth / 2024年10月21日 14時59分

 話は変わるが、石破内閣の発足と前後して、球団史上初の連覇達成を目指していた阪神タイガーズは、終盤惜しくも巨人にかわされて、2位でシーズンを終え、続くクライマックスシリーズで3位DeNAに2連敗を喫し、連覇は夢と消えた。


 投手陣が、先発・中継ぎ・抑えといずれも充実している上、打線もシーズン終盤になって調子が上がってきていたので、短期決戦ならば勝機もあろうと考えられていたにもかかわらず、である。


 敗因はもちろん単純な話ではないだろうが、すでに大きく報じられている通り、直前に岡田彰布監督が今期限りで退任する、との話がメディアに出回り、結果的に選手のモチベーションが下がってしまったことが大きかったのだろうと、衆目が一致している。


 あの大谷翔平選手を擁するロサンゼルス・ドジャースも、ワールド・シリーズ進出を賭けたセミファイナルの緒戦を落としたが、当の大谷選手は、「後がない、という感覚は僕にはなかった。2連勝すればオーケー」と発信し、日本中の野球ファンを感動させた。


 阪神の選手たちには、そうした気概を持つことなど、望むべくもなかったのである。阪神OBの江本孟紀氏などは、「何度同じ事を繰り返すのか」と憤りを露わにした。


 どういうことかと言うと、今次の人事については、岡田監督や球団上層部の意向ではなく、親会社の「大人の事情」で、たとえ連覇を達成しても2年契約が終了した時点で退任、というのが既定の路線であった、というのだ。


 これだけでも度しがたい話であるのに、クライマックスシリーズに言わば最後の望みを掛けて臨まんとしていたタイミングで公表すべき話か、というのが江本氏はじめ球界関係者の多くから聞かれた声である。


 総選挙に話を戻して、今次の石破政権もまた、危機管理という点ではお粗末極まるとしか言いようがない。


 いわゆる裏金議員の何人かは非公認になったが、ここに至るまでも迷走ぶりがまたひどかった。総裁選への出馬を表明した時点では、「政治資金にも確定申告の義務を課す」などと勇ましかったが、旧安倍派からの反発が想以上に激しく、このままでは高市早苗候補(当時)の後塵を拝することになる、と見たのか、どんどんトーンダウンしていった。


 結局、幾人かの「裏金議員」が非公認となったが、大半が無所属で立候補して、それも当選した場合は追加公認という話が、半ば既成事実のように人口に膾炙している。首相自身、「国民の審判ほど重いものはない」などと言って、追加公認することを半ば公然と肯定しているのだ。


 その上さらに、無所属で立候補した裏金議員のうち何人かに対し、連立与党である公明党が推薦までした。なにか「大人の事情」でもあったのか。


 いずれにせよ、自民党は今に至るも「政治とカネ」の問題に真摯に向き合おうとしていない。道義的責任も説明責任も果たそうとせず、「選挙でみそぎを受ければよい」という論理が、今もまかり通っているのだ。


 私はもともと自民党支持者ではないのだが、日本の将来を憂える立場からは、どうしてもこう言わざるを得ない。「何度同じ事を繰り返すのか」


(その2につづく)


トップ写真)解散する衆議院本会議で万歳する与党議員 2024年10月9日 乙京都千代田区


出典) Tomohiro Ohsumi/Getty Images


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