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米大統領選、「例外主義」の終わりの始まり

Japan In-depth / 2024年11月13日 11時0分

 


また、先週は、今回ほど「consequential」な大統領選挙はない、とも書いた。今回の結果が持つ現代史的意味は決して小さくないと思うからだ。今回の選挙は、米国史上、独立戦争、南北戦争、公民権運動に次ぐ4度目の南北の大規模な対立であり、米国が「例外主義」の国家であり続けるか否かが問われる政治イベントでもある。


 


その意味で、今回の選挙結果は、米国の「例外主義」の「終わりの始まり」なのかもしれない。トランプ再選と共和党による上下両院及び最高裁判所の支配の確立により、今後米外交の国際主義が変質していく恐れがある。そうなれば、第二次大戦後、米国が主導してきた「啓蒙主義的・自由主義的グローバリズム」の時代が終わる可能性すらあるのでは?・・・こうした仮説を今週の産経新聞WorldWatchに書かせてもらった。ご関心のある方は是非ともご一読願いたい。


 


続いては、いつもの通り、欧米から見た今週の世界の動きを見ていこう。ここでは海外の各種ニュースレターが取り上げる外交内政イベントの中から興味深いものを筆者が勝手に選んでご紹介している。欧米の外交専門家たちの今週の関心イベントは次の通りだ。


 


11月12日 火曜日 イスラエル大統領訪米、米大統領と会談


  インドネシア大統領訪米


  NATO事務総長訪仏、仏大統領と会談


米フロリダ州知事、イタリア訪問、伊首相と会談


欧州委員会委員長、欧州理事会トップと会談


11月13日 水曜日 IAEA事務局長、イラン訪問


 ソマリランドで大統領選挙


11月14日 木曜日 スリランカで議会選挙


11月15日 金曜日 APEC首脳会議(2日間、 於ペルー)


11月16日 土曜日 ガボンで憲法改正国民投票


11月17日 日曜日 セネガルで議会解散総選挙


11月18日 月曜日  G-20首脳会合(2日間、於ブラジル)


 


最後はいつものガザ・中東情勢だが、米大統領選トランプ勝利を見極めた上での確信犯の行動なのか、イスラエルのネタニヤフ政権は西岸地域の入植地に対する「主権」を宣言した。狙いすました「癖球」をワシントンに投げた訳だが、果たしてトランプ氏はどう反応するか?強い反応がなければ、ネタニヤフの「勝ち」となる。やはり、ここはネタニヤフの粘り勝ちなのだろうか。


 


なお、先週は11月5日のミシガン州での投票結果が気になると書いたが、結果は約8万票という微妙な差でトランプ候補が勝利した。アラブ系有権者は約5万票といわれていたが、もしそうであれば、仮にガザ戦争がなくても、ハリスは負けていたのかもしれない・・・。


 


今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは今週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。


 


写真)選挙夜のイベントに、メラニア・トランプ夫人とともに登場したドナルド・トランプ氏(2024年11月6日 アメリカ・フロリダ州)


出典) Photo by Chip Somodevilla/Getty Images


 


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