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ルビオ次期国務長官を注視しよう(下)安倍首相の靖国参拝への支持

Japan In-depth / 2024年11月24日 19時0分

中国は抗議を続けた。しかしアメリカの共和党政権はなにも述べなかった。





ところが安倍首相の2013年12月の靖国参拝に対してはアメリカの民主党オバマ政権は「失望」という批判の意向を言明したのだった。





しかしルビオ氏は上院議員としてまずこのオバマ政権の態度への反対を明確に述べた。2014年1月の韓国のソウルでの大手研究機関の会合で韓国人記者から「アメリカは日本の首相の靖国参拝にどう対応するべきか」と問われ、ルビオ氏は「アメリカ政府がこの種の問題に関与し、日本側にどうすべきかを告げることは生産的ではない」と述べたのだった。





この発言はオバマ政権が安倍首相の参拝に「失望」を表明したことへの上院議員としての明確な反対だった。ルビオ議員は「中国がアジアのアメリカの同盟諸国間の歴史問題などでの見解の相違を拡大させ、悪用することを黙認すべきではない」とも述べ、明らかに靖国問題での中国の態度をも批判したのだった。





ルビオ議員はこの韓国訪問の直前に日本をも訪れ、安倍首相と親しく懇談していた。安倍氏の当時の安保政策や対中政策を賞賛し、中国の対外行動を野心的な膨張と非難した。訪日直前の日本メディアからの靖国問題についての質問にはルビオ議員は「近隣国からの非合法な対日主張を考えると安倍首相の姿勢は心強い」と述べ、支持を表明した。





アメリカの大手紙ウォールストリート・ジャーナルは当時、この安倍・ルビオ会談について「靖国参拝でオバマ政権から異例の厳しい批判を浴びた安倍首相にとってアメリカ議会の有力議員ルビオ氏の訪問と賞賛の言葉はまさに望んでいた米側からの支援となったようだ」と報道した。





こうした実績のあるルビオ氏が次期トランプ政権の外交の主役になることは日本にとって好材料である。





靖国問題では今回の自民党総裁選で高市早苗氏が首相としての参拝方針を明言し、党内の一部から「参拝は日米関係を崩す」という反対を受けたという。だが次期トランプ政権の国務長官のルビオ氏が日本の首相の靖国参拝にオバマ政権と同様の反応を示すことは、まず考えられない。なにしろ共和党政権は二代目ブッシュ大統領時代、小泉純一郎首相が6年も靖国参拝を続けてなにも述べなかったのだ。それどころかブッシュ政権にいたリチャード・アーミテージ氏、ランディ・シュライバー氏ら高官は日本が中国の脅しに屈して首相の靖国参拝を止めてしまうことへの批判まで表明していたのである。トランプ政権の再登場は日米関係に明らかに新たな変化をもたらすのだといえよう。





(上はこちら。全2回)





トップ写真:大統領選でトランプ候補の選挙集会にて応援演説するマルコ・ルビオ上院議員(2024年11月4日ノースカロライナ州)出典:Chip Somodevilla/Getty Images




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