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トランプ氏はなぜ勝ったのか ドーク教授の分析 その3 オバマ氏の大きな影響

Japan In-depth / 2024年12月2日 11時9分

 


ドーク「そうです。当時のこの状況がオバマ政権の8年間だけに限定された一時的な変化だったと考えてはなりません。実際にこの変化のプロセスは副大統領だったジョセフ・バイデン氏が2021年にアメリカ合衆国の名目上の大統領になってから、その速度を増しました。私があえてここで『名目上の大統領』という表現を使うのは多くの識者たちがバイデン氏をオバマ氏の傀儡、つまり操り人形のような存在とみなしたからです。その状況はバイデン氏の知的な能力が衰えをみせてから一層、顕著となりました。それらの識者たちは今回の大統領選でバイデン大統領の立候補を撤回させ、カマラ・ハリス置を候補に差し替えた決定もオバマ氏の背後での動きによっていたと信じています。


もしハリス氏が最終の選挙に勝ち、大統領になったとすれば、オバマ氏の課題だった根本的な変化への政策を無節操に続けたことでしょう。いやハリス氏は妊娠中絶とLGBT(性的少数者の総称)という2点を自分の選挙キャンペーンの文化面での看板政策として掲げることによって、オバマ氏の主張を越えたともいえる動きをとっていました。私はハリス氏がこの2点での主張のために選挙に負けたのだとは思いません。彼女はトランプ氏の絶大な政治的技量や広範な人気を含む多数の他の要因により、選挙に敗れたのです。そういう技量や人気をハリスは保持していなかった、ということです」


 


古森「その意味ではやはり超リベラルの方向への当面の動きをトランプ氏の勝利が抑えたとはいえるわけですね。ただしドークさんが再三、指摘するように、だからといって、リベラル基調、左傾化という流れはなお厳存するということ、人口動態やキリスト教徒の減少という具体的な現象をみることも重要だという点、よくわかりました」


 


ドーク「その根本的な変化というのは、単に一回や二回の政治的選挙ではその流れはつかみにくい、ということです。そのより深刻な影響は選挙からは遅れて、その4年後ぐらいに明確に表れるかもしれません。トランプ氏の勝利でその変化の流れが止まるわけではないのです。


私たちは根本的な変化への条件がアメリカの人口動態の一定の構造的な変動のなかでどんな影響を果たしているかをよくみなければなりません。その近年の変化はアメリカが1960年代に経験した変動よりももっと過激なのです。ただしその近年の変化は1960年代の暴力的な騒動ほどは劇的ではないために、往々にして見落とされがちなのです」


 


(その4につづく。)  


その1はこちらから:https://japan-indepth.jp/?p=85392


その2はこちらから:https://japan-indepth.jp/?p=85458 


 


トップ写真)民主党の大統領候補カマラ・ハリス副大統領の応援演説をするバラク・オバマ元大統領:ウィスコンシン州ミルウォーキー - 2024年11月3日


出典)Photo by Spencer Platt/Getty Images 


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