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ドイツの危機は欧州の危機?変貌する世界政治の行方

Japan In-depth / 2024年12月3日 14時32分

詳細は関連記事をお読み頂きたいが、結論から言えば、こうした一連の動きは戦後、特にソ連崩壊後の欧州政治が変質する前兆ではないかと懸念する。従来欧州政治の主流だった穏健中道系左右両勢力間の政権交代ないし連立政権が、経済格差と移民流入拡大を機に、遂に「忘れ去られた人々」の支持を失い始めたのだろう。


その象徴がフォルクスワーゲン労働者のストライキだ。遂にドイツでも製造業の凋落が始まったのだとしたら、これはドイツだけでなく、欧州全体の危機にもなりかねない。EU(欧州連合)は仏独の連携とドイツの忍耐で成り立ってきた。フランスはもう峠を過ぎたが、ドイツでも内政が不安定化すれば、これは「いつか来た道」となる。


欧州の専門家ではないので、「オオカミ少年」になるつもりはない。だが、テレビではこれまで繁栄を謳歌してきたフォルクスワーゲンの労働者たちが、拳を振り上げながら政府・経営者批判を叫ぶ姿が連日流れている。この人たちの怒りの「受け皿」は何なのか。それを再び「国家社会主義」にしない「知恵」を欧州は持っているのか。


 


 続いては、いつもの通り、欧米から見た今週の世界の動きを見ていこう。ここでは海外の各種ニュースレターが取り上げる外交内政イベントの中から興味深いものを筆者が勝手に選んでご紹介している。欧米の外交専門家たちの今週の関心イベントは次の通りだ。


12月3日 火曜日 ギリシャ首相訪英、英首相と会談


 NATO外相会合(ブラッセル、2日間)


12月4日 水曜日 仏議会、仏首相不信任決議案について採決投票


 アルゼンチン、保守主義行動会議を初めて主催


 米大統領、アンゴラ訪問終了


12月5日 木曜日 ウルグアイ、メルコスール首脳会議を主催


 欧州議会議長ポーランド訪問、ポーランド首相と会談


12月6日 金曜日 台湾総統、南太平洋諸国訪問を終了


 ロシア大統領、ベラルーシ訪問


12月7日 土曜日 ガーナで総選挙


 カタルでドーハフォーラム開催(2日間)


12月8日 日曜日 ルーマニア、大統領選決選投票


 


 最後はいつものガザ・中東情勢だ。ようやくイスラエルとヒズブッラの停戦が実現したが、先週記事で筆者は「一方が『もっと勝てる』と思えば、停戦には至らない。これが筆者の考える「戦争と停戦の法則だ」と書いた。「停戦違反が停戦違反を呼ぶ」今の状況は驚かないが、ヒズブッラはもう本格戦闘再開など望まないのではないか。


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