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「忘れ去られた人々」の怒りが描く未来:ポピュリズムの脅威と可能性

Japan In-depth / 2024年12月18日 19時0分

 


続いては、いつもの通り、欧米から見た今週の世界の動きを見ていこう。ここでは海外の各種ニュースレターが取り上げる外交内政イベントの中から興味深いものを筆者が勝手に選んでご紹介している。欧米の外交専門家たちの今週の関心イベントは次の通りだ。クリスマス前の時期だからか、静かなものである。


 


12月17日 火曜日 欧州委員会委員長、トルコ大統領と会談


12月18日 水曜日 NATO事務総長、仏独伊英、ポーランド、ウクライナ代表と非公式会合


EU・バルカン諸国首脳会議開催(ブラッセル)


12月19日 欧州理事会首脳会議(2日間)


12月20日 独首相、訪独中のエストニア大統領と会談


 


最後はいつものガザ・中東情勢だ。先週は「シリア情勢は、一つ間違えれば、中東全域の大混乱にも繋がりかねない大事件だ」と書いたが、今週は筆者がそう考える理由を書いておきたい。そうは言っても、今は一部関係国の諜報機関以外に、誰もシリアで今後起きることを予測できる人がいないだろうが・・・。


 


筆者がシリア・アサド政権の崩壊をゲームチェンジャーだと思う理由は:



アサド政権は中東における「アラブ社会主義」の最後の政権だった
これでハマース、シリア、イラク、イラン、サウジからイスラエルまで、中東の主要プレーヤーは全て「宗教」イデオロギーに基づく政治勢力となった
同様の動きは米国だけでなく欧州諸国でも顕著になりつつある
ということは、話し合いではなく、力による解決が優先されるということだ
独裁政権の突然の崩壊でシリアには巨大な「力の真空」ができつつある
イランがシリアを失ったことで、中東地域の力関係は大きく変動し始めた
シリアは周辺関係国の「草刈り場」となり、統一穏健中央政府はできないだろう
イスラエルは「バイデン米政権を相手にせず」に徹し自国の利益を最優先した
第二期トランプ政権の下でも、このイスラエルの姿勢は変わらないだろう・・・

と思うからである。


今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは今週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。


写真)シリアの刑務所で汚されるアサド元大統領の肖像画(2024,12月17日 シリア ダマスカス)


出典)Photo by Scott Peterson/Getty Images


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