【海外発!Breaking News】銃で顔に重傷を負った男性、顔面の85%を移植する手術で自信「人生が変わった」(米)<動画あり>
TechinsightJapan / 2024年11月25日 19時25分
米ミネソタ州ロチェスターの総合病院「メイヨー・クリニック」は今月19日、今年2月に行った30歳男性の顔面移植手術が成功したことを発表した。2014年、銃で自殺を図り顔に重傷を負った男性は、10年ぶりに匂いを嗅ぎ、普通に食事をし、瞬きをし、笑うことができるようになった。米ニュースメディア『CBS News』などが報じた。
2014年3月5日、ミシガン州ヒューロン郡ハーバー・ビーチの実家の外で、当時19歳だったデレク・パフさん(Derek Pfaff、30)が銃で自殺を図った。
大学1年生だったデレクさんは当時、春休みを利用して帰省中で、父ジェリーさん(Jerry)が午前2時前、真っ赤に染まった雪の上で倒れている息子を発見した。
母リサさん(Lisa)によると、高校時代のデレクさんは成績優秀で、州選手権大会に出場できるほど強いアメフトチームのキャプテンを務め、ランニングバックとして活躍するスター的存在だったという。ただ、大学に進学してからはかなりのストレスを抱えるようになった。デレクさん自身は自殺を図った日のことを覚えておらず、病院で目覚めた時には「交通事故にあったのだろう」と思ったそうだ。
デレクさんはその後、顔のほとんどを失い、両親は医師から「助かる見込みは非常に低い」と告げられた。しかし奇跡的に生き残り、今年2月に顔面移植手術を受けるまで、58回の顔の形成手術を受けていた。
それでも手術前、片目だけしか見えず、瞬きもできない状態で、話すことや呼吸、匂いを嗅ぐことすら困難だった。さらに、食事を噛んだり飲み込むことができなかったため、経管栄養に頼る生活を余儀なくされ、家にこもりがちな生活が続いた。そして58回目の手術の後、医師に「私たちにこれ以上、できることはない」と告げられ、顔面移植を勧められた。
こうして2020年8月、デレクさんは顔面移植のレシピエントとして適しているかどうかの検査を受けた。そして、ドナーが見つかった今年2月に、外科医6名を含む約80人のチームによる念願の手術を受けた。
チームを率いたサミア・マルディニ医師(Dr. Samir Mardini)らは、デジタルを駆使して入念な手術計画を立て、約9か月間、3Dプリントを使ったガイドによるシミュレーションを何度も続けてきた。実際の手術では、約2日半にあたる50時間以上をかけ、ドナー組織から額や上下のまぶた、鼻、口、上顎と下顎(歯を含む)、首の皮膚や筋肉、神経を移植し、顔全体の85%を再形成した。なお、この複雑な手術では、デレクさんとドナーの顔面神経を適切に接続するため細心の注意が払われた。その結果、食事、まばたき、さらには笑顔などの機能が回復した。
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