【エンタがビタミン♪】松本隆、日本の音楽界を変えた2度の挑戦 「友達が離れ孤独だった」
TechinsightJapan / 2017年2月19日 15時1分
だが、日本のトップバンドとなった「はっぴいえんど」は1972年12月31日に解散してしまう。松本はすでに結婚して第一子誕生を控えていたこともあり、作詞の道に進もうと決意する。コンペに応募してシングル化されたのがアグネス・チャンが歌う『ポケットいっぱいの秘密』(1974年6月)だった。
番組では当時の『第25回NHK紅白歌合戦』でアグネスが同曲を歌う後ろに山本リンダ、天地真理、南沙織、あべ静江という人気歌手が踊る姿が映り時代を感じさせた。なによりそのアイドルっぽい歌詞には斉藤由貴が「今まで言っていたことは全部ウソだったんですか?」「可愛いし素敵な曲だけど、あまりにも違い過ぎる」と目を丸くしたほどの変わりようだ。
バンド時代に「日本語のロック」を追求した松本だが、今度は「歌謡界の作詞の常識を変えてやろう」と決意して「愛や恋をストレートに歌うのではなく繊細な心情や風景を映像的に描く」ことを目指した。ただ、彼自身にも「こんなことをやっていていいのか」という葛藤はありながら「証明するしかない」と書き続ける。それまでの音楽仲間やファンからは「裏切り」と言われ「友達も面食らって離れた。とても孤独だった」という。
歌詞作りにはサブカルチャーのカリスマと呼ばれたバンド時代の経験や情報が役だった上に「歌手の個性を直感的に見抜き、それを際立たせる」才能がものを言った。松田聖子は後に彼のことを「天才! 男性なのに何で女性の気持ちがズバッと分かるのだろう…」と評している。
寺尾聰が1981年2月にリリースしたシングル『ルビーの指環』(作詞:松本隆 作曲:寺尾聰)は第23回日本レコード大賞・大賞、金賞を受賞する大ヒットとなる。当時の人気音楽番組『ザ・ベストテン』では12週連続1位という最長記録を樹立した。斉藤由貴は当時、同番組に出演して目にした“ルビーの指環 1位記念”のビロードシートを思い出し「あのイスはずっと覚えてます」と懐かしむ。
ちなみに寺尾聰は1965年からグループ・サウンズ「ザ・サベージ」でボーカルを担当しており、松本は中学時代にテレビで『勝ち抜きエレキ合戦』に出場した彼の姿を見て「この人カッコいいな!」と印象に残ったそうだ。やがて俳優として活躍するようになった寺尾から「詞を書いてくれ」と言われ「これも巡り合わせだな」と感慨を覚えたという。松本はバンドという親近感もあり『ルビーの指環』の歌詞に『風街ろまん』のキーワード“風の街”を入れてプレゼントしたことを明かしながら「相手は知らないだろうけどね」と微笑んだ。
こうして時代を振り返ると、現在の日本におけるロックやJ-POPは松本隆の挑戦があればこそ生まれたものだと改めて思わされる。他にも「日本語ロック」ではキャロル、歌謡曲の作詞家では阿久悠などの先駆者が道を作ったことを忘れてはなるまい。
出典:https://www.instagram.com/takashi_mtmt
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)
-
- 1
- 2
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
近藤真彦「スニーカーぶる~す」当初は「暗い」も…裏には“イメージ戦略”「赤はトシちゃん、黒はマッチ」
スポニチアネックス / 2024年10月19日 12時10分
-
サニーデイ・サービス 曽我部恵一「かけがえのないファンの人たちに歌うことが一番大事」
ananweb / 2024年9月29日 20時30分
-
『ギザギザハートの子守唄』本当は真田広之が歌う曲だった⁉︎ チェッカーズが「泣くほど嫌だった」デビュー曲の裏側
集英社オンライン / 2024年9月21日 15時0分
-
“夏フェス卒業”を発表した、サザンオールスターズのここ10年の軌跡…「国民的ロックバンド」でありながら、「日本ロック史における最大の革命児」桑田佳祐の唯一無二のバランス感覚
集英社オンライン / 2024年9月21日 13時0分
-
パール兄弟、デビュー40周年は“天から与えられた”原点回帰
ORICON NEWS / 2024年9月20日 16時20分
ランキング
-
1「億負けてから出直してこい!」粗品、ボートレースガチ勢アイドルを“にわか評論”でファン失笑
週刊女性PRIME / 2024年10月19日 16時30分
-
2「人生の楽園」西田敏行さんへ菊池桃子が思い込めた追悼メッセージ…視聴者涙「もう聞けないなんて寂しい」
スポニチアネックス / 2024年10月19日 19時35分
-
3「棒読み」と言われがちだけど…唐田えりかが“日本エンタメ界の宝”と言えるワケ|『極悪女王』
女子SPA! / 2024年10月18日 8時46分
-
4「普通に態度悪いし」山本舞香、結婚で掘り起こされた見ていてヒヤヒヤの“不機嫌映像”
週刊女性PRIME / 2024年10月19日 21時0分
-
5和田アキ子 生放送での発言を反省&謝罪「ほんとに人間性が」「言わんでいいこと言って…だめだね」
スポニチアネックス / 2024年10月19日 13時6分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください