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【海外発!Breaking News】「おじいちゃんは生きている」 亡骸と12年暮らす家族(インドネシア)

TechinsightJapan / 2017年5月1日 5時30分

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インドネシア・スラウェシ島の山岳地帯トラジャで、12年前に亡くなった男性が部屋の一室に置かれた棺の中で眠っている。この地方では葬儀が行われるまでは死んだとみなされず、遺体はホルマリンで処置が施され、家族が甲斐甲斐しく世話をするのだ。

「さあ、お父さん。お客様ですよ。ゆっくりお休みのところごめんなさいね。怒らないで下さいね。」

故パウロ・シリンダさんの娘のリサさんは、『BBC』の取材でスラウェシ島を訪れた記者を部屋に招き入れると父に優しく語りかけた。子供たちがパウロさんの周りではしゃぎまわると「静かにしてね。おじいちゃんが起きちゃうわよ」と声をかけ、「おじいちゃんは病気で寝ているのよ。うるさくすると怒り出すわよ」とたしなめる。

トラジャでは葬儀が行われるまで、死者は人々の会話を聞くことができるとされ、手厚くケアしないとその魂が怒りだすと信じられている。リサさんは父のために食事とタバコを一日2回用意し、こまめに身体を洗い、洋服を取り換える。この部屋の片隅には父専用のトイレ用の桶まで用意され、夜間でも照明が消えることはない。

「死後すぐに葬儀をしてしまっては、父を葬る心の準備ができません。ここに父がいることで、心が通じ合っていることを実感できるのです。時間が父を失ったことの悲しみを癒してくれるのです。」

リサさんはパウロさんのガサガサの頬骨を撫でながらこう語った。

「死んで葬儀を終えた者の魂だけがこの世から解き放たれ、死後の世界へと旅立ち、その後再び生まれ変わる。」

そのように信じる人々は、死後の準備をするために黙々と働いて貯金をする。葬儀には平均年収の10倍ほどの費用をかけると言われ、家族は経済的に余裕ができ死者と別れを告げる準備ができた時に葬儀を執り行うのだ。バッファローや豚を生贄として捧げ村全体で死者の旅立ちを祝う儀式は、有力者で貯えがあるほど盛大で数日に及ぶこともざらだという。

葬儀をするまでの間、家族が死者と過ごす時間はまちまちだ。2週間で別れを告げる者もいれば、リサさんのように12年間をともにする者もいる。そして葬儀を終え、山々に数多く存在する洞窟や家族の墓に葬られた亡骸は数年に一度、家族によって運び出される。家族と一緒の時を過ごすと、また元の場所に戻されるそうだ。

愛する人を突然失った時、その悲しみをどう癒すかは人それぞれだ。アメリカでは昨年、入院した女性の親戚が、屋根裏部屋に横たわる女性の息子の遺体を発見するという悲しいニュースが伝えられた。男性は50代で白骨化しており、自然死だったという。女性は10年間も息子の亡骸と過ごしていたようだ。またロシアでは、亡き夫を生き返らせるために聖水と呪文を使って、4か月の間ミイラ化した遺体と生活していた女医が近所の住民によって通報された。

出典:http://www.bbc.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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