【海外発!Breaking News】「トルコはもはや投資や観光に安全な国ではない」 PKK分派テロ組織から新たな敵対声明
TechinsightJapan / 2017年6月8日 16時37分
トルコ南東部におけるクルド人国家の樹立を目標に掲げ、トルコ政府及び治安部隊への攻撃を続ける「クルド労働者党(PKK)」。その分派でトルコ国内での積極的なテロ活動が恐れられている反政府武装組織「クルディスタン解放の鷹(=クルド解放の鷹 略称:TAK)」がまた不穏な動きを見せた。テロ事件が多発するラマダンの時期だけに同国の緊張は一気に強まっているもようだ。
在トルコ日本国大使館は日本時間の8日未明、「クルディスタン解放の鷹(以下TAK)」が6日にウェブサイトを通じてトルコに対する敵対声明を発出したとして、治安に関する最新情報の収集や安全確保に注意するようトルコ在住の邦人と旅行者に呼びかけた。以下の通りである。
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トルコにお住まいの皆様及び旅行者の皆様へ
在トルコ日本国大使館
1.6日、TAKはウェブサイトを通じて、「トルコが投資や観光に安全な国ではなく、国内すべての場所が戦場であり、今後活動を一層活性化させる。トルコのクルディスタン地域における過去からの行為が復讐の理由である」等を内容とする声明を発出しました。
2.TAKは2016年12月10日のイスタンブール市内ボーダフォン・アリーナ(サッカー場)付近における警察官を狙った自爆テロ、同月17日のカイセリ市内エルジェエス大学前における空挺旅団の兵士を狙った自爆テロ、2017年1月5日イズミル市内イズミル裁判所前における自爆テロ等、主に治安機関を対象としたテロを敢行しています。
邦人の皆様におかれましては、引き続き最新の治安情報の入手に努め、政府・軍・警察関係施設、デパート・市場等の不特定多数の人が集まる場所、公共交通機関、観光施設等にはできるだけ近づかないようにするとともに、訪れる場合であっても、短時間で要件を済ませ、不審な状況を察知したら速やかにその場所を離れるなど安全確保に十分注意してください。
3.なお、近年ラマダン期間やその直後には世界各地でテロが発生し、死傷者が出ています。ラマダン明けの休暇が終わるまで、まだ3週間ほどありますが、引き続き十分注意してください。
在トルコ日本国大使館
領事班
代表電話0312-446-0500(領事班内線番号:291,258)
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2006年、イスタンブールのアタテュルク国際空港に大火災をもたらして世界の大きな注目を集めた「TAK」は、メンバーの大半がトルコ系クルド人。活動の拠点はトルコに接するイラク北部のクルド人居住地域で、これによりトルコ南東部の治安は加速的に悪化。自動車に爆弾を仕掛ける、あるいは自爆テロが主たる手段で2016年2月には首都アンカラで28名が死亡。同12月にはイスタンブールで188名が死傷。また今年1月にはイズミルの裁判所前でも13名が死傷した。欧州にも大勢の分子が存在するため、地中海やエーゲ海の人気リゾート地でも観光客を巻き込むテロ行為を展開している。
TAKは事件後に出す犯行声明においてトルコ政府はファシストと批判しており、「自分たちはその報復行為に出ている。トルコ経済を観光産業が支えているのであればそれを破滅に追い込む」と訴えてきたほか、観光目的の外国人にも「トルコを訪れるのは危険だ」とたびたび警告している。温暖な気候でゆったりとくつろげる地中海沿岸のリゾート地、イスタンブールやカッパドキアといった美しくも珍しい観光スポットを多数有するトルコだけに、一日も早く平和な日々が戻ることを祈らずにはいられない。
出典:在トルコ日本国大使館 領事メール6月7日(治安情報)(http://www.tr.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000098.html)
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)
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